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「悪夢が現実になる前に対策を講じよ!」──モネの作品が再び環境活動団体の標的に

オルセー美術館に展示されているクロード・モネのペインティング《アルジャントゥイユのひなげし》に対して、環境活動団体「Riposte Alimentaire(食の反撃)」が赤色の布を貼り付けた。これ以外にも同団体は、ルーブル美術館やリヨンのボザール美術館などに収蔵されている作品を標的に美術館で抗議活動を行っている。

クロード・モネ《アルジャントゥイユのひなげし》(1873)。Photo: Deagostini/Getty Images

6月1日、オルセー美術館に展示されているクロード・モネのペインティングに対して環境活動家が粘着剤が塗布された布を貼り付けた。気候変動の啓蒙活動を意図して行ったと主張する女性は、同日に捜査当局によって拘束された。

今回の抗議を実施したのは、持続可能な食料システムの確立の主張を通じて気候変動に対して抗議活動を行う「Riposte Alimentaire(食の反撃)」と呼ばれる活動団体だ。これ以外にも同団体は、ルーブル美術館に展示されている《民衆を導く自由の女神》の横に「抵抗は不可欠」と記されたステッカーを貼ったり、《モナ・リザ》にトマトスープをかけたりするなど、ヨーロッパ中の美術館を標的に活動している。

X(旧Twitter)に投稿された動画には、赤色に染められた布をモネの《アルジャントゥイユのひなげし》に貼り付ける抗議者の姿が映っている。ガーディアンによると彼女は、「何かしらの策が講じられなければ、この悪夢のような光景が待ち受けているだろう」と語っていたという。

《アルジャントゥイユのひなげし》には、日傘を持った女性と子どもがけし畑の中を歩いている様子が描かれている。本作は防護ガラスによって保護されていたことから、作品本体に対する損傷はなかったという。(翻訳:編集部)

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