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灰に埋もれた古代都市ポンペイに特化した新博物館が2026年にオープン。歴史的な考古学者を称える展示も

2026年の開業を目指し、古代ローマの都市ポンペイに焦点を当てた新しい博物館がイタリア・ナポリにオープンすることが明らかになった。

ポンペイに特化した新博物館が建設される予定の、イタリア・ナポリにある旧アルベルゴ・デイ・ポーヴェリ。Photo: Courtesy Wikimedia Commons

古代ローマの都市ポンペイに焦点を当てた新しい博物館が、イタリアの都市ナポリにオープンすることが明らかになった。ナポリ国立考古学博物館(MANN)の姉妹館として機能するため、「MANN 2」と呼ばれることになる。

建築家はパオロ・デジデリで、パラッツォ・フーガとしても知られる旧アルベルゴ・デイ・ポーヴェリ内に建設されるこの新しい施設は、広さ10万3000平方メートルにもなる予定。パラッツォ・フーガは何十年もの間使われておらず、廃墟と化していた。この新博物館は、観光業を向上させるための街全体をあげた再活性化プロジェクトの要となる。

ナポリ国立考古学博物館は、紀元79年のヴェスヴィオ山の噴火後、灰に埋まったポンペイから発掘された遺物を4万点以上所蔵しているが、これまで展示スペースが足りず、大部分のコレクションが倉庫に眠っていた。新しい博物館では、18世紀に発見されたポンペイの人々、その文化の足跡が紹介されることになる。

また、ジュゼッペ・フィオレッリ、ヴィットリオ・スピナッツォーラ、アメデオ・マイウリといった歴史的な考古学者を称える展示も行われるという。さらに、インタラクティブな部屋や研究に特化したエリアも設けられる。

イタリアの博物館総局長マッシモ・オザンナは、「MANN 2では、MANN自体ですでによく語られているコレクションを複製するのではなく、ヴェスヴィオ遺跡の再発見の歴史に特化した空間を、遺物だけでなく復元物、パネル、マルチメディアを活用しながら作り上げる計画です」と期待を込める。

MANN 2の建物の一部には、ナポリ国立考古学博物館の分館とナポリ国立図書館も入居し、建物の半分以上は、ナポリ・フェデリコ2世大学の教室として使用される。また、書店、カフェ、パノラマテラスも併設されるという。今回のプロジェクトには、1億5800万ユーロ(約275億円)の資金が投じられ、2026年半ばに完成する予定だ。(翻訳:編集部)

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