ARTnewsJAPAN

遺体の指に王権の象徴「鷲」が描かれた指輪。ブルガリア王イワン・アレクサンダー一族の遺品か

ブルガリアの中世の要塞で、14世紀後半の貴族のものと見られる墓から貴重な指輪が発見された。指輪には当時の王権の象徴とされる鷲の絵と、継承を象徴するとされるロゼット(バラ飾り)が描かれていたという。

Photo: Instagram/@archaeologymagazine

ブルガリアの中世の要塞、コカリアンスク・ウルヴィッチ(Kokaliansku Urvich)の跡地にある教会内の墓から遺体が発見された。ブルガリア科学アカデミーの国立考古学研究所の研究者によると、その指には指輪がはめられており、14世紀後半に埋葬された貴族の所有物である可能性が高いという。墓は岩盤を彫り出してつくられたもので、遺体は漆喰塗りの木製の棺に納められていた。

指輪には鷲の絵が描かれているが、これはブルガリア北東部の古都、ヴェリコ・タルノヴォにおける王権の象徴だ。それゆえ、この指輪の持ち主はブルガリア王イワン・アレクサンダーの一族だった可能性がある。また、鷲を囲うように描かれているロゼット(バラ飾り)は、継承や先祖の思い出といった意味をもつと考えらている。

同じ教会では12基の墓が発見されているが、研究所によると、そのうち2基には16世紀に盗掘の被害にあった痕跡があるという。

あわせて読みたい