上野でアートとクラシック音楽を堪能! 3月14日から始まるミュージアム・コンサートの見どころと全日程を紹介
3月14日から東京・上野地区で毎年恒例のクラシック音楽の祭典「東京・春・音楽祭」が始まる。今年は4月20日までの38日間、国内外の実力ある演奏家によるオペラ、管弦楽、室内楽、ソロなど様々なプログラムのコンサートが開かれる。中でも注目は美術館や博物館が集まる地域性を生かしたミュージアム・コンサートだ。今回は東京国立博物館、国立科学博物館、東京都美術館、国立西洋美術館、上野の森美術館の計5館で22公演が行われる。

東京国立博物館では、「東博でバッハ」と銘打たれたバッハプログラムを実施。荘重なバッハの器楽曲は東博の厳かな雰囲気にぴったりだ。中でも4月8日19時からの気鋭の若手、辻彩奈による演奏は必聴。確かな実力を持つ辻が、1つのヴァイオリンだけでバッハの宇宙的世界が繰り広げられる名曲中の名曲「無伴奏ヴァイオリン」を奏でる。

東京都美術館では、現在開催中の「ミロ展」を記念したコンサート。3月23日14時から、大井浩明がジョン・ケージのピアノ曲「易の音楽」披露する。占いの書『易経』から着想した曲で、コインを投げて演奏を進めていくという偶然性を取り入れた作品。一種のパフォーマンスアートでもあり、アートファンには必見の公演だ。

上野の森美術館では「現代美術と音楽が出会うとき」と謳い、現代アート作品が並ぶ展示室で現代音楽のコンサートが開かれる。プログラムは3月17日19時、18日19時。視覚と聴覚で「現代」の潮流を感じてもらいたい。
【ミュージアム・コンサート全22公演】
東京国立博物館(全て4000円)
・3月19日(水)19:00 法隆寺宝物館エントランスホール
東博でバッハvol.70 鈴木大介(ギター)
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータ(ギター版)全曲演奏会第一夜
J.S.バッハ(鈴木大介編):ソナタイ短調(無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番イ短調BWV1003)、パルティータロ短調(無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番ロ短調BWV1002)/他
・3月27日(木)19:00 法隆寺宝物館エントランスホール
東博でバッハvol.71 鈴木大介(ギター)
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータ(ギター版)全曲演奏会第二夜
J.S.バッハ(鈴木大介編):フーガイ短調(リュートのためのフーガト短調BWV1000)
前奏曲、フーガとアレグロニ長調BWV998 /他
・4月2日(水)19:00 平成館ラウンジ
東博でバッハvol.72 イノン・バルナタン(ピアノ)
J.S.バッハ:トッカータホ短調BWV914、イギリス組曲第2番イ短調BWV807、イタリア協奏曲BWV971 /他
・4月8日(火)19:00 法隆寺宝物館エントランスホール
東博でバッハvol.73 辻彩奈(ヴァイオリン)
J.S.バッハ: 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番ホ長調BWV1006
権代敦彦:《ポスト・フェストゥム》ヴァイオリンのための/他
・4月16日(水)19:00 平成館ラウンジ
東博でバッハvol.74 辻󠄀本玲(チェロ)
無伴奏チェロ組曲全曲演奏会第一夜
J.S.バッハ: 無伴奏チェロ組曲第1番ト長調BWV1007、無伴奏チェロ組曲第4番変ホ長調BWV1010 /他
・4月17日(木)19:00 平成館ラウンジ
東博でバッハvol.75 辻󠄀本玲(チェロ)
無伴奏チェロ組曲全曲演奏会第二夜
J.S.バッハ: 無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調BWV1009、無伴奏チェロ組曲第2番ニ短調BWV1008/他
国立科学博物館(全て4500円)
・3月19日(水)19:00 地下2階常設展示室
竹山愛(フルート)&景山梨乃(ハープ)
N.ロータ:フルートとハープのためのソナタ
M.ベルトミュー:5つのニュアンス
武満徹:海へIII アルトフルートとハープのための/他
・3月21日(金)19:00 地下2階常設展示室
秋田勇魚(ギター)
B.パウエル:カンドンブレ
ヴィラ=ロボス:ショーロス第1番
坂東祐大:花と蜜(朗読:文月悠光) /他
・4月9日(水)14:00 日本館2階講堂
北村聡(バンドネオン)&マレー飛鳥(ヴァイオリン)
挾間美帆:春を讃え、そして踊れ
D.スキッシ:酔いどれ変奏曲
G.d.ヒウスト:想い出/他
・4月16日(水)19:00 日本館2階講堂
N響メンバーによる室内楽 大宮臨太郎、村尾隆人(ヴァイオリン)、坂口弦太郎(ヴィオラ)、山内俊輔(チェロ)
ショスタコーヴィチ没後50年に寄せて
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第4番ニ長調op.83、弦楽四重奏曲第13番変ロ短調op.138、弦楽四重奏曲第10番変イ長調op.118
・4月17日(木)14:00 日本館2階講堂
西山まりえ(チェンバロ)
古代への憧憬
J.S.バッハ:トッカータホ短調BWV914
F.クープラン:《クラヴサン曲集第1巻》第1組曲より
ラモー:《運指のメソード付きクラヴサン曲集》より
J.N.P.ロワイエ:《クラヴサン曲集》第1巻より/他
東京都美術館(全て2500円)
・3月16日(日)14:00[約60分] 講堂
「ミロ展」記念コンサートvol.1 毛利文香(ヴァイオリン)&小林海都(ピアノ)
ストラヴィンスキー:イタリア組曲
ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ(遺作)
ヴァイオリン・ソナタト長調
・3月20日(木・祝)14:00[約60分] 講堂
「ミロ展」記念コンサートvol.2 亀井良信(クラリネット)&鈴木慎崇(ピアノ)
ミヨー:協奏的二重奏曲op.351
フランセ:主題と変奏
オネゲル:クラリネットとピアノのためのソナチネ/他
・3月23日(日)14:00[約60分] 講堂
「ミロ展」記念コンサートvol.3 大井浩明(ピアノ)
J.ケージ:易の音楽(全4巻) /他
・3月25日(火) 14:00[約60分] 講堂
「ミロ展」記念コンサートvol.4 中野翔太(ピアノ)
サティ:3つのジムノペディ、6つのグノシエンヌ、《星たちの息子》への3つの前奏曲、ジュ・トゥ・ヴー/他
・4月1日(火) 14:00[約60分] 講堂
「ミロ展」記念コンサートvol.5 大萩康司(ギター)
アルベニス:スペイン組曲第1集op.47より第5曲アストゥリアス《伝説》
モンポウ:《歌と踊り》より第13曲鳥の歌
M.リョベート:《10のカタルーニャ民謡集》より
カサド:カタルーニャの伝説/他
国立西洋美術館(全て4800円※「西洋絵画、どこから見るか?」展観覧可能)
4月3日(木)11:00/14:00 [各約60分]講堂
「西洋絵画、どこから見るか?」展 記念コンサートvol.1
古橋潤一(リコーダー)、丹沢広樹(バロック・ヴァイオリン)、能登伊津子(ポジティフ・オルガン)、川瀬佑介(国立西洋美術館主任研究員)
フランシスコ・コレア・デ・アラウホ:《オルガンの技法》より
フアン・バウティスタ・ホセ・カバニーリェス:第3旋法によるパッサカリア/他
・4月15日(火)11:00/14:00 [各約60分]講堂
「西洋絵画、どこから見るか?」展記念コンサートvol.2
佐藤亜紀子(ビウエラ/ルネサンス・ギター)、岩崎芳佳(ソプラノ)、飯塚直(リコーダー/パーカッション)、川瀬佑介(国立西洋美術館主任研究員)
フアン・デル・エンシーナ:《王宮の歌曲集》より
ミゲル・デ・フエンリャーナ:ムーア人はアンテケラから馬に乗って去っていく
ルイス・デ・ナルバエス:ムーアの王は散策していた/他
上野の森美術館(全て4000円)
・3月17日(月)19:00 展示室
現代美術と音楽が出会うとき
コハーン(クラリネット)
グレゴリオ聖歌:サルヴェレジーナ
ヴァイダ:光と陰影の震え
コハーン:かぶきもの/他
・3月18日(火)19:00 展示室
現代美術と音楽が出会うとき
中村翔太郎、中村洋乃理、村田恵子、棚橋恭子(ヴィオラ)
G.ノックス:マラン・マレ変奏曲「スペインのフォリア」の主題による
野平一郎:トランスフォルマシオンⅠ、II
松﨑国生:無伴奏ヴィオラ・ソナタ第3番《海》(世界初演) /他
東京・春・音楽祭2025
期間:3月14日(金)~4月20日(日)
会場:上野恩賜公園(東京)一帯、東京文化会館、東京藝術大学奏楽堂(大学構内)、旧東京音楽学校奏楽堂、東京国立博物館、国立科学博物館、東京都美術館、国立西洋美術館、上野の森美術館/他
全プログラム、チケット詳細:https://www.tokyo-harusai.com/