東京で訪れたい美術館・ギャラリー29選──現代アートの最新スポットから国宝級の古美術まで
日本の古美術から現代をリードするアーティストたちの最新作まで、多様なアートが集まる東京は、まさに「日本のアートの中心地」と言っても良いだろう。その中からアートファンなら見逃せない29の美術館とギャラリーを厳選して紹介する。
INDEX
- 1. 国立西洋美術館
- 2. 東京国立博物館
- 3. SCAI THE BATHHOUSE
- 4. The 5th Floor
- 5. 三菱一号館美術館
- 6. アーティゾン美術館
- 7. シャネルネクサスホール
- 8. メゾンエルメスフォーラム
- 9. ギャラリー小柳
- 10. 東京国立近代美術館
- 11. 根津美術館
- 12. ワタリウム美術館
- 13. エスパス・ルイ・ヴィトン
- 14. アニエスベーギャラリーブティック
- 15. BLUM
- 16. NANZUKA UNDERGROUND
- 17. MAHO KUBOTA GALLERY
- 18. 森美術館・森アーツセンターギャラリー
- 19. 国立新美術館
- 20. 東京都庭園美術館
- 21. 東京都写真美術館
- 22. ピラミデビル
- 23. complex665ビル
- 24. 麻布台ヒルズ
- 25. カイカイキキギャラリー
- 26. TERRADA ART COMPLEX Ⅰ・Ⅱ
- 27. 東京都現代美術館
- 28. デカメロン
- 29. 中野ブロードウェイ
さまざまな文化が交差する東京には、西洋美術から現代アート、日本の古美術まで、多彩なアートを楽しめるスポットが数多く集まっている。今回は、東京でぜひ訪れたい美術館とギャラリー29スポットを厳選した。
各スポットの建築や空間デザイン、庭園、さらに周辺のアートスポットも合わせて紹介する。休日や東京旅行でのアート巡りに是非ご活用いただきたい。
1. 国立西洋美術館
国立西洋美術館は、上野恩賜公園内に1959年に開館した西洋美術専門の美術館だ。注目したいのはその常設展。12室の広大な展示室で、18世紀以前のオールドマスターの作品から、フランス近代絵画、20世紀絵画まで西洋美術史の流れに沿った体系的な展示が行われており、見応えは充分。公式サイトでは、日英中韓の無料音声ガイドも展開されている。
なお、前庭に展示されるロダンの《地獄の門》をはじめとした彫刻作品群は、無料で楽しむことができる。建物はル・コルビュジエが設計し、世界文化遺産にも登録されている。向かいにはコルビジェの弟子、前川國男が手掛けた東京文化会館もあり、建築ファンにも見逃せないスポットだ。
施設名:国立西洋美術館
住所:東京都台東区上野公園7-7
公式サイト:https://www.nmwa.go.jp/jp/
2. 東京国立博物館
多くの美術館が集まる上野恩賜公園の中にある東京国立博物館は、1872年に開館した日本最古かつ最大の美術館。本館で開催される常設展では常時約3000件が展示され、日本と東洋の美術と考古の流れを知るのにも最適だ。《埴輪 挂甲の武人》などの国宝や、尾形光琳の《風神雷神図屛風》などの重要文化財も複数観ることができる。無料の鑑賞ガイドアプリは日英中韓で提供されている。
また、本館以外にも表慶館、東洋館、平成館、法隆寺宝物館と5つの展示館があり、それぞれに異なるテーマで展示が行われている。池を中心に5棟の茶室を持つ広大な日本庭園もあり、四季の植物が楽しめる。じっくり1日かけて楽しみたい博物館だ。
施設名:東京国立博物館
住所:東京都台東区上野公園13-9
公式サイト:https://www.tnm.jp/
3. SCAI THE BATHHOUSE
煙突と瓦屋根の外観が特徴的なSCAI THE BATHHOUSEは、上野恩賜公園近くにある現代アートギャラリー。江戸時代から続く銭湯をリノベーションしたスペースだ。中に入るとホワイトキューブの空間が広がり、レトロな外観とのギャップに驚くが、高い天井から差し込む自然光など、銭湯であった建物の面影も活かされている。
1993年にオープンして以来、李禹煥や村上隆らを海外に発信するなど、日本のアートシーンを牽引してきたギャラリーで、宮島達男、名和晃平といった日本人アーティストのほか、アニッシュ・カプーアら海外の第一線で活躍するアーティストらが在籍する。高いクオリティの作品と出会える場だ。
施設名:SCAI THE BATH HOUSE
住所: 東京都台東区谷中 6-1-23 柏湯跡
公式サイト:https://www.scaithebathhouse.com/ja/
4. The 5th Floor
上野恩賜公園近くにある、築50年の元社員寮の建物を活用した「花園アレイ」というアートやビジネスのためのコミュニティスペース。この5階にあるのがThe 5th Floorという2020年にオープンしたオルタナティブ・スペースだ。3つの部屋と、バルコニーや屋上などを活用し、展覧会やイベントを開催している。
東京藝術大学の出身者らが中心となって立ち上げたスペースで、「キュレーション」をテーマの中心においているのが特徴。従来の美術館のシステムでは実現が難しい実験的な展示など、チャレンジングな企画が展開されてきた。徒歩10分ほどの場所には東京芸術大学大学美術館もあり、あわせて訪問するのもおすすめ。
施設名:The 5th Floor
住所:東京都台東区池之端 3-3-9 花園アレイ 5F
公式サイト:https://the5thfloor.org/
5. 三菱一号館美術館
東京駅近くの丸の内エリアにある三菱一号館美術館。煉瓦造りの建物は、ジョサイア・コンドルによる設計で1894年に事務所として建てられた「三菱一号館」を、2010年に復元したものだ。19世紀後半から20世紀前半の西洋美術の企画展を中心に開催しており、同時代の建築空間と作品群を楽しめるのが魅力。館内には、かつての銀行営業室の空間を復元したクラシックなカフェも併設されている。
美術館周辺の路上では「丸の内ストリートギャラリー」が展開されており、ヘンリー・ムーアや名和晃平らの20点近い彫刻作品を無料で楽しめる。2023年4月から改装により休館中だったが、2024年11月23日からいよいよ再開。「再開館記念『不在』―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」が開催される(2025年1月26日まで)。
施設名:三菱一号館美術館
住所:東京都千代田区丸の内2-6-2
公式サイト:https://mimt.jp/
6. アーティゾン美術館
東京駅から徒歩5分ほどの八重洲エリアにあるアーティゾン美術館は、ブリヂストン美術館を前身として2020年に開館した美術館。ビルの4階から6階の3フロアが展示スペースとなっている。コレクション作品は、日本古美術から印象派絵画、20世紀美術、マーク・ロスコやザオ・ウーキーなどの現代アートまで幅広い。公式アプリでは、コレクションについて日英中韓の音声ガイドが無料で利用できる。
また、ヴェネツィア・ビエンナーレの日本館展示の帰国展を1年おきに開催しているのも特徴だ。隣接する「TODA BUILDING」は2024年秋にグランドオープン予定で、ミュージアムや現代アートのギャラリーも入居する。
施設名:アーティゾン美術館
住所:東京都中央区京橋1-7-2
公式サイト:https://www.artizon.museum/
7. シャネルネクサスホール
ハイブランドの旗艦店が並ぶ銀座中央通りにあるシャネル銀座ビルディング。その4階に位置するのは、シャネルネクサスホールという多目的ホールだ。芸術を愛したシャネルの創始者、ガブリエル・シャネルの意思を継ぎ、若手芸術家・音楽家たちの展示を行っている。
展覧会とコンサートを2つの柱として展開するのが特徴で、展覧会では写真展を中心に、若手や女性のアーティストにフォーカスした展示を多く開催している。展覧会ごとに、洗練された雰囲気で創り上げられる展示空間も魅力的だ。また、毎年5人の若手音楽家を選び、1年を通してソロコンサートを開催する取り組みも行われている。
施設名:シャネルネクサスホール
住所:東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F
公式サイト:https://nexushall.chanel.com/
8. メゾンエルメスフォーラム
エルメス銀座店の8階から10階にあるギャラリースペース、メゾンエルメスフォーラム。建築家レンゾ・ピアノがビルの設計を手掛け、ガラスブロックで覆われた外観が特徴的だ。ギャラリーでは、アーティストとともに展覧会を創り上げるスタンスで、植物や水を使った展示など、美術館では実施できないようなチャレンジングな展示も多く開催している。
2フロアにわたる吹き抜けの空間で、ガラスブロックの壁からは自然光が差し込み、時間帯によって異なる雰囲気を楽しめるのも魅力のひとつ。隣接するGinza Sony Parkは2025年1月にグランドオープン予定で、アートや音楽のイベントが開催される場として注目されている。
施設名:メゾンエルメスフォーラム
住所:東京都中央区銀座5-4-1 8階
公式サイト:https://www.hermes.com/jp/ja/content/maison-ginza/
9. ギャラリー小柳
銀座の中央通りから1本入った場所にある小柳ビルの9階に位置するギャラリー小柳。江戸時代の1852年に創業した百貨店の前身と言われる京橋勧工場をルーツにもち、1995年に現代アートのギャラリーとして開業した。
2016年にリニューアルされた現在のスペースは、杉本博司と建築家・榊田倫之による建築設計事務所、新素材研究所が内装を手掛けた。エントランスの敷瓦など、和風の要素を取り入れつつ、要素を省略し、現代美術とも調和する空間となっている。日本では写真を扱うギャラリーが少なかった時代に杉本博司の写真作品を紹介。現在はトーマス・ルフやマーク・マンダース、ソフィ・カル、束芋など、国内外の第一線で活躍する現代アーティストらが所属している。
施設名:ギャラリー小柳
住所:東京都中央区銀座1-7-5 小柳ビル9F
公式サイト:https://www.gallerykoyanagi.com/
10. 東京国立近代美術館
1952年に日本初の国立美術館として誕生した東京国立近代美術館は、近現代の作品を幅広く扱う美術館だ。1階で企画展が開催されるほか、2階から4階までの3フロアではコレクション展が開催され、常時約200点の作品を展示している。19世紀末から現在に至る日本の近現代美術の流れをたどることができ、常設展だけでもかなりの見応えだ。4階の「ハイライト」展示室では、重要文化財や人気のある作品を中心に展示されており、この1室だけでも十分に楽しめる。日英韓中の無料ガイドアプリも活用したい。
4階にある「眺めのよい部屋」という休憩室では、隣接する皇居の緑を見渡せ、春には通り沿いの桜を眺めることも出来るのでおすすめだ。
施設名:東京国立近代美術館
住所:東京都千代田区北の丸公園3-1
公式サイト:https://www.momat.go.jp/
11. 根津美術館
表参道にある根津美術館は、隈研吾の設計による大きな切妻屋根の和風建築が印象的な美術館。建物の大通りに面した側には竹垣が設けられ、都会の喧噪から遮断される一方、庭に面した側は大きなガラスで仕切られ、緑に囲まれた景色を楽しめる。日本・東洋の古美術を収蔵しており、紀元前13-12世紀の青銅器から、江戸時代の陶磁器や絵画など、多岐にわたる作品と出会える。
広大な日本庭園も見どころのひとつ。起伏に富んだ土地に茶室や大きな池が配され、都会の中とは思えない景色を楽しめる。毎年春には、庭園のカキツバタが見頃を迎える時期にあわせて、尾形光琳による国宝《燕子花図屏風》が展示される。
施設名:根津美術館
住所:東京都港区南青山6-5-1
公式サイト:https://www.nezu-muse.or.jp/
12. ワタリウム美術館
神宮前にあるワタリウム美術館は、その幾何学的なデザインの外観が目を引く私設美術館だ。前身であるギャルリー・ワタリでは、キース・ヘリングやアンディ・ウォーホルらをいち早く日本に紹介。1990年に美術館として開館してからも、国内外の若いアーティストを紹介する先進的な展示を展開している。
特徴的な建築は、スイスの建築家マリオ・ポッタによるもの。世界的なキュレーター、ハラルド・ゼーマンのアドバイスも受け、さまざまな展示に対応できるつくりになっている。道路に面した大きな窓や吹き抜け、外階段など、特徴的な空間を活かしたユニークな展示も多く行われるなど、作品と建築との関係にも注目したい。
施設名:ワタリウム美術館
住所:東京都渋谷区神宮前3-7-6
公式サイト:http://www.watarium.co.jp/
13. エスパス・ルイ・ヴィトン
ルイ・ヴィトン表参道ビルの7階に位置するエスパス・ルイ・ヴィトン東京。建築家、青木淳が手掛けた建築で、トランクを積み重ねたようなイメージの外観が特徴だ。ルイ・ヴィトンが世界各地に展開する現代アートの展示スペースのひとつで、国内では東京と大阪に拠点を持つ。
最上階に位置するこのスペースは、天井高が8メートル45センチもあり、キューブ状のスペースの3面がほぼガラス張りで開放的な空間となっている。夜間には作品の背景に広がる夜景も美しい。ルイ・ヴィトンの財団が所有する作品が紹介されることも多く、これまでにはヴォルフガング・ティルマンスやクリスチャン・ボルタンスキーなどの展覧会も開催された。
施設名:エスパス・ルイ・ヴィトン
住所:東京都渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン表参道ビル 7F
公式サイト:https://jp.louisvuitton.com/jpn-jp/magazine/articles/espaces-louis-vuitton#tokyo
14. アニエスベーギャラリーブティック
アニエスベー ギャラリーブティックは、アニエスベー青山店の2階に位置するギャラリーだ。フランス国外ではニューヨーク、香港に続き、3カ所目のギャラリーとなる。アニエスベーがフランスで展開するギャラリー デュ ジュールと連携し、そのコレクションの展示を行うほか、日本の若手アーティストを取り上げた個展も多く開催している。
現代に対する鋭い視点と視覚的なインパクトを併せ持った表現を行うアーティストを取り上げることも多く、ブランドのファッションアイテムとのコラボレーションが行われることもある。ギャラリー内にはショップも併設され、書籍やオリジナルポスターなどが販売されている。
施設名:アニエスベーギャラリーブティック
住所:東京都港区南青山5-7-25 アニエスべー青山店2F
公式サイト:https://www.agnesb.co.jp/chez-nous-agnesb/agnesb-s-world/agnes-b-galerie-boutique-tokyo/
15. BLUM
原宿駅の駅前に位置するBLUMは、1994年にロサンゼルスでBlum & Poeとして創業し、2023年にBLUMへと名前を変えたギャラリーの東京拠点だ。BLUMは世界的なメガギャラリーのひとつで、2024年にはニューヨークに大規模な拠点をオープン予定。
同ギャラリーは現代美術の国際的な動向を紹介しており、日本のもの派やスーパーフラットなども取り上げてきた。日本人アーティストとしては柳幸典や奈良美智、五木田智央らが在籍している。ギャラリーはビルの5階に位置する。大通りに面した大きな窓が特徴的で、明治神宮の森を借景に自然光が降り注ぐ清々しいスペースだ。
施設名:BLUM
住所:東京都渋谷区神宮前1-14-34 原宿神宮の森 5F
公式サイト:https://www.blum-gallery.com/?lang=ja
16. NANZUKA UNDERGROUND
NANZUKA UNDERGROUNDは、神宮前にあるギャラリーで、都内に3つのギャラリーを運営するNANZUKAの中で最も広いスペース。”アンダーグラウンド”という名称だが、路上に面した4階建ての建物で、1・2階がギャラリースペースとなっている。
故・田名網敬一や、空山基、ダニエル・アーシャム、ハビア・カジェハらが在籍し、アンダーグラウンドな雰囲気とストリートカルチャーとの繋がりを感じさせる作品を多く扱っている。2024年にオープンした渋谷の商業施設「渋谷アクシュ」では、パブリックアートプロジェクト「NANZUKA PUBLIC」や、アートバー「NANZUKA TAKEN」も展開。あわせて訪問するのも良いだろう。
施設名:NANZUKA UNDERGROUND
住所:東京都渋谷区神宮前3-30-10
公式サイト:https://nanzuka.com/ja/
17. MAHO KUBOTA GALLERY
外苑前の閑静な住宅街の中にあるMAHO KUBOTA GALLERYは、2013年にオープンした現代アートを扱うギャラリーだ。SCAI THE BATHHOUSEなどの勤務を経て独立した久保田真帆が代表を務める。
ジェンダー問題に焦点を当てるアーティストや女性アーティストを積極的に紹介しており、長島有里枝やAKI INOMATAらが所属している。また、認知心理学的なアプローチにも着目し、ジュリアン・オピーや武田鉄平ら、視覚的に特徴のあるアプローチを行うアーティストらも多く在籍している。
施設名:MAHO KUBOTA GALLERY
住所:東京都渋谷区神宮前2-4-7
公式サイト:https://www.mahokubota.com/ja/
18. 森美術館・森アーツセンターギャラリー
六本木ヒルズ・森タワーの53階には森美術館、52階には森アーツセンターギャラリーというアートスペースがある。広大なスペースを持つ森美術館は、草間彌生や杉本博司らの大規模な個展など、国際水準の展覧会を開催してきた。
一方、森アーツセンターギャラリーでは、マンガやゲーム、ストリートアートなど、親しみやすい展覧会を多く展開している。ミュージアムカフェでは、展望台と同じ52階からの眺望を楽しめ、展覧会とのコラボメニューも多く展開される。また、3階のミュージアムショップでは、村上隆や奈良美智らアーティストのオリジナルグッズから、若手アーティストのエディション作品まで、ここでしか手に入らないアイテムも揃っている。
施設名:森美術館・森アーツセンターギャラリー
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52F/53F
公式サイト:https://www.mori.art.museum/
19. 国立新美術館
六本木にある国立新美術館は、建築家・黒川紀章が設計を手掛けた曲線的なガラスのカーテンウォールの外観が特徴的な美術館。国立美術館でありながらコレクションを持たず、12の展示室をフレキシブルに使った企画展や公募展が常に複数開催されている。企画展では、草間彌生やダミアン・ハーストなど、著名なアーティストの個展なども開催されてきた。
シーンにあわせて楽しめる1つのレストランと3つのカフェを併設するほか、工芸品から若手デザイナーの作品までを展開するミュージアムショップもある。多くの企画展は金・土は20時まで開館しているが、夜間には、館内の灯りで美術館の建物がランタンのようにきらめく様子も美しい。
施設名:国立新美術館
住所:東京都港区六本木7-22-2
公式サイト:https://www.nact.jp/
20. 東京都庭園美術館
白金台に位置する東京都庭園美術館は、1933年に旧皇族の朝香宮邸として建設された建物を活用した美術館。アール・デコ様式の歴史ある建築と内装が特徴的で、本館や正門、茶室などは重要文化財に指定されている。建物の魅力を活かした「建物公開」の展覧会が毎年開催されるほか、建築様式や調度品に着目した企画展も多く開催されている。華やかな空間なので、美術品もホワイトキューブで見るのとはひと味違った印象で楽しめる。
庭園美術館という名前の通り、広大な庭園もみどころのひとつ。芝生の広がる「芝庭」、茶室もある「日本庭園」、春には桜も楽しめる「西洋庭園」と趣の異なる3つの庭園を有し、庭園だけの入場も可能だ。
施設名:東京都庭園美術館
住所:東京都港区白金台5-21-9
公式サイト:https://www.teien-art-museum.ne.jp/
21. 東京都写真美術館
恵比寿ガーデンプレイス内に位置する東京都写真美術館は、日本で初めての写真と映像に特化した美術館だ。地上4階、地下1階のビルの中に3つの写真展示室と、映像作品を上映するホールを備える。写真の発生から現代までをカバーする約3万7000点を超えるコレクションを有しており、特に、黎明期の写真や、木村伊兵衛や荒木経惟ら、日本の重要な写真家の作品を重点的にコレクションしている。作品だけでなく、19世紀の映像の歴史に関わる機材類も収蔵・展示しているのは世界的にも珍しい。
館内にはカフェや、写真集や写真や映像に関する書籍が充実したミュージアムショップも併設しており、ショップやカフェだけの利用も可能だ。
施設名:東京都写真美術館
住所:東京都目黒区三田1-13-3
公式サイト:https://topmuseum.jp/
22. ピラミデビル
森美術館の近くにあるピラミデビルは、ギャラリーやレストランなどが集まる複合施設。中庭にあるピラミッド型の構造物が目印だ。現代アートを中心としたギャラリー、オークションハウス、ショップなど、10店以上のアート関連のテナントが入居している。
例えば、パリを拠点とするメガギャラリーPERROTIN TOKYOとそのブックストアPERROTIN 106が入居。1990年代にゲルハルト・リヒターの名を日本国内に広めたWAKO WORKS OF ARTや、コンセプチュアル・アーティストのピエール・ユイグやライアン・ガンダーらが在籍するTARO NASUなど、老舗のギャラリーも多く、国内外のアートシーンに精通した鑑賞者にもおすすめのスポットだ。
施設名:ピラミデビル
入居ギャラリー:PERROTIN TOKYO、KOTARO NUKAGA、Yutaka Kikutake Gallery、OTA FINE ARTS、SCAI PIRAMIDE、WAKO WORKS OF ART、TARO NASU、禪フォトギャラリー
住所:東京都港区六本木6-6-9
23. complex665ビル
complex665ビルは、ピラミデビルの隣に2016年にオープンしたギャラリーコンプレックス。コンパクトなビルだが、3つの現代アートギャラリーが広いスペースを展開している。
2階には、村上隆や奈良美智らを早い段階で海外に紹介するなど、日本の現代アートの基盤となる潮流をつくりだしてきた小山登美夫ギャラリーと、森村泰昌や千葉正也らの所属するシュウゴアーツが入居。また、東京と京都、群馬に計5つのスペースを展開するタカ・イシイギャラリーが3階にギャラリースペース、1階にオフィスを構えている。森美術館やピラミデビルにも近く、六本木でギャラリー巡りをするのであればぜひ立ち寄りたい場所だ。
施設名:complex665ビル
入居ギャラリー:タカ・イシイギャラリー、小山登美夫ギャラリー、シュウゴアーツ
住所:東京都港区六本木6-5-24
24. 麻布台ヒルズ
麻布台ヒルズは、東京タワー近くに2023年にオープンした大型複合施設で、オフィスやホテルなどから構成される。広大な広場を中心に据え、その周囲にオラファー・エリアソンや奈良美智らによるパブリックアートを展示。ヘザウィック・スタジオが設計を手掛けた建築群も注目を集めている。
チームラボによるメディアアートの美術館、チームラボボーダレスや、美術館仕様の設備を備えた 麻布台ヒルズギャラリー、アートと本格的なコース料理が楽しめる ギャラリー&レストラン 舞台裏など、個性的なアートスペースがある。2024年9月には、世界4大ギャラリーのひとつPaceの日本初の拠点もグランドオープンした。
施設名:麻布台ヒルズ
入居ギャラリー・アート施設:麻布台ヒルズギャラリー、Pace、ギャラリー&レストラン舞台裏、集英社マンガアートヘリテージ、チームラボボーダレス
住所:東京都港区麻布台1丁目
公式サイト:https://www.azabudai-hills.com/index.html
25. カイカイキキギャラリー
カイカイキキギャラリーは、広尾にある、現代芸術家・村上隆が設立したアートギャラリー。ビルの地下1階に位置するギャラリーで、広い展示スペースを持つ。靴を脱いで作品を鑑賞する畳のスペースもあるのが特徴的だ。
村上隆や、Mr.、MADSAKIといったカイカイキキ所属のアーティストの展覧会が開催される。また、過去には漫画家・イラストレーターの江口寿史や、アーティストのKYNEなど、村上隆が注目する様々な分野のアーティストとカイカイキキがコラボレーションした個展も開催してきた。村上隆の、プロデューサーやコレクターとしての一面も伺えるギャラリーだ。
施設名:カイカイキキギャラリー
住所:東京都港区元麻布2-3-30 元麻布クレストビルB1F
公式サイト:https://gallery-kaikaikiki.com/
26. TERRADA ART COMPLEX Ⅰ・Ⅱ
天王洲アイルにあるTERRADA ART COMPLEX Ⅰ・Ⅱは、国内最大級のギャラリーコンプレックス。MAKI GalleryやANOMALY、KOTARO NUKAGAなど、第一線で活躍するアーティストたちの作品を扱うギャラリーが、2つの建物のなかに20軒近く入居し、多様な作品と出会える場だ。広大な展示スペースを有するギャラリーが多いのも特徴。
近隣は美術品などの保管事業を営む寺田倉庫がまちづくりを行っており、多くのパブリックアートが並ぶほか、コレクターズミュージアムのWHAT MUSEUMや、若手アーティストの作品を扱うギャラリーカフェWHAT CAFÉなどもあり、アートを1日楽しめる。
施設名:TERRADA ART COMPLEX Ⅰ・Ⅱ
住所:東京都品川区東品川1-33-10(Ⅰ)、 1-32-8(Ⅱ)
公式サイト:https://terrada-art-complex.com/
27. 東京都現代美術館
清澄白河の木場公園内にある東京都現代美術館は、国内最大規模の展示スペースを有する美術館。3フロアにわたる企画展示室には、地下2階から地上3階にわたる高さ19メートルの吹き抜けのアトリウムがあり、過去にはオラファー・エリアソンやライゾマティクスらが大がかりな作品を発表してきた。
戦後美術と若手作家を中心としたコレクションを持っており、2フロアにわたるコレクション展示室で年間を通じてその展示を楽しめる。現代アート関連書籍や多彩なグッズを扱うミュージアムショップや、「絵になる席」などアートな体験も楽しめて子ども連れにも人気のレストラン「100本のスプーン」も併設する。
施設名:東京都現代美術館
住所:東京都江東区三好4-1-1
公式サイト:https://www.mot-art-museum.jp/
28. デカメロン
デカメロンは、2020年に新宿歌舞伎町にオープンしたアートスペース。2階がギャラリーで、1階にはバーを併設。作品観賞前後にお酒を挟んで対話が生まれるようなコミュニティスペースとなっている。
歌舞伎町で複数のホストクラブを運営するSmappa!Groupの会長がオーナーを務める。開廊時間が18:00~26:00と夜間を中心にしているのも歌舞伎町らしく、美術館がクローズした後や夕食後の時間でもアートを楽しめる。近隣には、2023年にオープンした歌舞伎町タワーがあり、Chim↑Pom from Smappa!Groupや森山大道らによる新宿の土地にちなんだパブリックアートが展示されている。
施設名:デカメロン
住所:東京都新宿区歌舞伎町1-12-4
公式サイト:https://www.decameron.jp/
29. 中野ブロードウェイ
中野ブロードウェイは、開業して50年以上の複合商業施設で、「サブカルの聖地」として知られる。地下1階から地上4階の建物内にフィギュアやアニメ、アート書籍などのコレクターズアイテム専門店が集まる。
村上隆率いるカイカイキキは、ここで複数の店舗を運営。「純喫茶ジンガロ」では、昭和風のレトロな内装の店内に村上隆作品のモチーフがあしらわれ、代表シリーズ「お花」のフードやドリンクも楽しめる。製菓ブランド「となりの開花堂」のお花のクッキーはお土産にもピッタリだ。カイカイキキ所属アーティストのグッズ類を販売する「Tonari no Zingaro」やギャラリースペース「Hidari Zingaro」などもある。
施設名:中野ブロードウェイ
住所: 東京都中野区中野5-52-15
公式サイト:https://nakano-broadway.com/