フリーズ&キアフ・ソウルと一緒に体験! 音楽からファッションまで編集部オススメの関連イベントTOP5

今年も9月4〜8日に韓国・ソウルで国際的アートフェアフリーズキアフ(Korea International Art Fair)が開催される。もちろんフェア会場で世界中から集まったギャラリーやアート作品を観るのも重要だが、注目すべきはその「外側」かもしれない。ARTnews JAPANが考えるフリーズとキアフの楽しみ方を紹介しよう。

毎年9月は、韓国のアートシーンから目が離せない。

2002年から始まった国際的アートフェア、キアフ(Kiaf、Korea International Art Fai )に加え、2022年からは同会場・同期間にフリーズも開催。国内外から数百のギャラリーやアーティスト、コレクターが集まり、現代美術の祭典と言うべき場が生まれている。さらに今年は釜山ビエンナーレや光州ビエンナーレも同時期に開催されており、韓国中でさまざまなアートを体感できる状況にある。

しばしば「アートフェア」と言うと会場に集まったギャラリーや作品が注目されがちだが、フリーズやキアフの特徴は、その熱気がソウル市内へ広がっていることにある。インディペンデントなギャラリーが開催するイベントや各地でブランドが開催するパーティ、アーティストたちのパフォーマンス──フェアと同時に体験できる、ソウルのアートシーンを体現する注目イベントをARTnews JAPANが独断と偏見からご紹介しよう。

1. 毎晩開かれるギャラリー・ナイトは交流の場

フリーズ/キアフを盛り上げるイベントのひとつが、毎晩行われるギャラリー・ナイトだ。通常は18時や19時で閉まってしまうギャラリーがこの日は22時までオープンし、なかにはカクテルを提供したりトークイベントを開催するギャラリーも。今年は3日が漢南(ハンナム)、4日が三清洞(サムチョンドン)、5日が清潭洞(チョンダムドン)と毎日エリアを変えてギャラリーナイトが開催される。

ギャラリーによっては周囲に人だかりが生まれるほどの盛り上がりを見せ、各ギャラリーはアーティストやコレクターらが集まる交流の場へ姿を変える。アートフェア会場とは少し趣向の異なる盛り上がりを感じ取ってほしい。

2. K-POPアイドルのプロデューサーも登場するショーケース

フリーズ・ソウルは毎年音楽のショーケース「フリーズ・ミュージック・ソウル」も開催している。昨年に引き続きBMWとのパートナーシップのなかで開催される今年のプログラムには、ヘッドライナーとしてプロデューサー/シンガー・ソングライターのSAAYが登場。

TWICEやaespaなど日本でも人気のK-POPアイドルの楽曲を数多く手掛けてきたことで知られるSAAYは、近年自身の活動も精力的に展開しており、ブランドとのコラボレーションや国内外でのライブパフォーマンスも成功させている。今年のパフォーマンスは、9月5日20:00(ドアオープン)にホテル「The Shilla Seoul」で開催予定だ(要予約)。

3. 同時多発的に広がるインディペンデントギャラリーの熱量

フリーズやキアフにも小規模なギャラリーは多く出展しているが、せっかくソウルを訪れたなら、市内に広がるインディペンデントギャラリーのエコシステムを体感したいもの。今年はWhistleやN/Aといった実力派の国内ギャラリーがそれぞれグループ展を開催予定だ。

昨年20軒超のギャラリーが集まって開催されたイベント「OUR WEEK」が、今年はポップアップイベントを開催するという噂も。ARTnews JAPANでは昨年ソウル市内のギャラリーシーンを紹介する記事も公開している。フリーズやキアフを訪れたあとは、市内のギャラリーを巡ってみてほしい。

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4. フェア会場内のパフォーマンスイベントにも注目

ここで再びフリーズ/キアフの会場へと目を向けてみよう。今年は「Kiaf onSITE Performance」と題し、会場のCOEX内で複数のパフォーマンスイベントが開催予定だ。9月4日と7日に行われるのは、JIN DallaeとPARK Woohyukによる「The Black Moon and the Rabbits」とKat Austenによる「Empty Fields」。

10人のアーティストからなるパフォーマンス/インスタレーションが展開される前者と、ソウルや光州、済州のフィールドレコーディングとキアフ会場のノイズを重ね合わせるサウンドパフォーマンスの後者、どちらもこの会場でこそ体験できるパフォーマンスとなっているはずだ。

5. ソウル・ファッション・ウィークとの交差も?

昨年からフリーズ/キアフと開催期間を重ねるようにして行われているソウル・ファッション・ウィーク。メイン会場となるDDPはフリーズ/キアフ会場であるCOEXとはエリアが大きく異なっており、直接的に連動しているわけではないものの、この期間はあちこちでファッションブランドやラグジュアリーブランドがイベントを開催してもいる。

開催日が近づくにつれて梨泰院(イテウォン)や狎鴎亭(アックジョン)のクラブやショップではイベントの告知が行われるため、ソウルを訪れる前に改めてイベント情報をチェックしておくのもいいだろう。ファッションシーンとアートシーンの交差が感じられるかもしれない。

その他にも、リゾートブランドのパラダイスシティではフリーズに合わせて韓国を代表するラッパーG-DRAGONが私物を出品するオークションを開催するほか、ザハ・ハディドの設計で知られるDDPでは大規模なライトアートイベントの開催も。さらに、一般の来場者はアクセスしづらいが、キアフはVIP向けに出版都市・坡州(パジュ)や市内アートセンターを巡るツアープログラムなども提供している。

かように、会場を訪れただけではフリーズ/キアフを体験したとは言えないのかもしれない。街全体へ広がるこの熱量を体感することが、フリーズ/キアフを訪れる意味であり、ソウルのアートシーンを体感することなのだ。

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