今週末に見たいアートイベントTOP5: 美術館では初!Nerholの大規模個展、白髪一雄と金山明の絵画手法に迫る
関東地方の美術館・ギャラリーを中心に、現在開催されている展覧会の中でも特におすすめの展示をピックアップ! アートな週末を楽しもう!
1. Nerhol 水平線を捲る(千葉市美術館)
唯一無二の表現の歩みを振り返る
グラフィックデザインを基軸とした田中義久と、彫刻家の飯田竜によるアーティストデュオNerhol。連続した数十~200枚の写真を重ねて彫刻するという、写真と彫刻を往還する独自の表現で高い評価を得ている。美術館では初の大規模個展となる本展では、2人の対話を契機に、人や植物など「移動」にまつわる様々な事象のリサーチを通じ、他者に開かれてきた長年におよぶ表現活動の歩みを紹介する。
会場には、代表作や未発表作に加え、千葉市の歴史や土地と関わりの深い「蓮」をテーマとした最新作、さらには2人が選ぶ美術館のコレクションとのコラボレーションも。Nerholによる時間と空間の多層的な探究から生まれる独自の世界観を楽しもう。
Nerhol 水平線を捲る
会期:9月6日(金)〜11月4日(月祝)
場所:千葉市美術館(千葉県千葉市中央区中央3丁目10-8)
時間:10:00〜18:00 (金土は20:00まで、入場は30分前まで)
休館日:10月7日(月)、21日(月)
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2. 三瓶玲奈 「光の距離」(フェルケール博物館)
三瓶玲奈が考察する絵画の中の光
画家、三瓶玲奈による個展。三瓶は日常の中で捉えた光景からその印象の元を集約、繰り返し考察することで人間の知覚についての絵画表現を追求し、「線を見る」や「色を見る」といった個々のテーマに連ねて絵画作品を制作している。2024年は画家自身のスタジオで撮影した写真に、三瓶のテキストを挿入した書籍『スタジオと絵を思考する』(Yutaka Kikutake Gallery)を出版するなど、絵画のみらなず活動の幅を広げている。
静岡県の清水港を臨むフェルケール博物館を舞台にした本展は、ホワイトキューブとはまた異なる三瓶作品の魅力を見せてくれることだろう。
三瓶玲奈 「光の距離」
会期:10月1日(火)〜11月30日 (土)
場所:フェルケール博物館(静岡県静岡市清水区港町2-8-11)
時間:9:30〜16:30
休館日:月曜(10月14日、11月4日は除く)
3. 白髪一雄 + 金山明 :プラス・マイナス 生誕100周年記念展 (ファーガス・マカフリー東京)
2人の独自性と革新性に満ちた絵画手法に迫る
共に具体美術協会の会員であった金山明(1924-2006)と白髪一雄(1924-2008)の生誕100周年記念展。具体の「これまでにないものを創れ」というモットーの下、独自性と革新性に満ちた、両者の絵画手法で独自の作品を制作していた。
白髪の提唱する「プラス・マイナス」の芸術哲論からタイトルが名付けられた本展では、ペンや絵の具を入れ穴を開けた缶を取り付けた子ども用のラジコンを使用した金山の機械的な絵画、ロープに揺られながら足で描いた白髪の大作絵画らを展示している。
白髪一雄 + 金山明 :プラス・マイナス 生誕100周年記念展
会期:10月3日(木)〜12月28日(土)
場所:ファーガス・マカフリー東京(東京都港区北青山3丁目5-9)
時間: 11:00 〜 19:00
休館日:月日祝
4. 角田純 「The secret life of plants」(Gallery Common)
角田純が鮮やかに描く自然と物質の相互作用
アーティストの角田純は、これまでアートディレクターとしての活動をはじめ、音楽・ファッションなどジャンルや世代を超えて活動する傍らで、ライフワークとして絵画作品を制作してきた。
本展では、角田が東京生活から山梨の八ヶ岳に移り住んだことをきっかけに、植物や水をテーマに漆喰やニス、アクリルなどの素材を使い制作している「Black Plants」シリーズの新作が展示される。自然や物質の本質と純粋性をさらに探求し、新たなインスピレーションや色彩を取り入れた作品群は観賞者に新たな風を運んでくれるだろう。
角田純 「The secret life of plants」
会期:10月5日(土)〜11月3日(日)
場所:Gallery Common(東京都渋谷区神宮前5-39-6)
時間:12:00〜19:00
休館日:月火
5. テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする(東京ステーションギャラリー)
デザイン界の巨匠テレンス・コンランの大回顧展
イギリスの生活文化に大きな変化をもたらし、デザインブームの火付け役にもなったテレンス・コンランの人物像に迫る日本で初めての展覧会。コンランはデザインが生活の質を向上させると信じ、個人の生活空間から都市、社会までを広く視野に入れ、デザインによる変革に突き進んだ。
本展は、パターン・デザインした食器やテキスタイルなどの初期プロダクト、家具デザインのためのマケット、ショップやレストランのためのアイテム、発想の源でもあった愛用品、著書、写真、映像など300点以上の作品や資料に加え、影響を受けた人々のインタビューを交えて展開される。
テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする
会期:10月12日(土)〜2025年1月5日(日)
場所:東京ステーションギャラリー(東京都千代田区丸の内1-9-1)
時間:10:00 ~18:00(金曜日は20時まで、入館は30分前まで)
休館日:月曜(祝日は翌平日、12月23日は開館)、12月29日~2025年1月1日