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寒川裕人/ユージーン・スタジオの常設美術館が2026年バリ島に開館。個展「新しい海」の作品も展示

寒川裕人/ユージーン・スタジオの常設美術館が、2026年にインドネシア・バリ島の世界遺産の麓の緑豊かな一帯にオープンすることが発表された。

Eugene Museum in Baliの完成予想図。©Andra Matin, ©Eugene Kangawa / EUGENE STUDIO ©Eugene Museum in Bali

インドネシア・バリ島にある世界遺産の麓一帯に2026年の開館が予定されている「Eugene Museum in Bali」。寒川裕人/ユージーン・スタジオの常設美術館となる同館は、2024年5月末にインドネシアで計画が発表されて以降、約1ヘクタールの敷地に施設の総面積約5000平方メートル、延床面積約3500平方メートルの美術館を建てるビッグプロジェクトとして注目を集めている。

同館は、東京都現代美術館において史上最年少での開催となったユージーン・スタジオの個展「新しい海 After the rainbow」(2021-2022)が基となっている。展示は、同展の金色に輝く雨、無限の海といった作品が予定されているが、スタジオ曰く「『新しい海』の続きであり、少し新しい美術館の形、社会実践的な場」となるという。地理的に赤道上に位置するバリ島は、豊かな伝統文化と自然環境が融合し、アジアの中心地と言える場所。世界中から多様な人々を惹きつけるボーダレスな場所の一つとして、「共生」をテーマに取り組んできたユージーン・スタジオの作品と共鳴するであろう島だ。

建築デザインは、2022年にアガ・カーン建築賞を受賞したインドネシアを代表する建築家アンドラ・マティンが担い、現地の自然環境に配慮する形で設計されるという。またコミュニケーションマネジメントパートは、過去にグッゲンハイムビルバオヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)などを担当したロンドン拠点のチームが参加。ユージーン・スタジオの大規模なインスタレーションや絵画シリーズがより活きるように、建築を含めて美術館全体が作品となる構成で進行されているという。

美術館の着工開始に伴って、アンドラ・マティンと寒川裕人へのインタビュー映像が、Eugene Musueum in Baliの公式サイトで公開された。映像内では、2人によって建築のコンセプトや新たな建築のパーススケッチ、素材、そして常設美術館に至るまでの背景が、制作の様子とともに収録されている。

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