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ARTnews JAPANのラウンジも! Art Collaboration Kyotoの6つの見どころ

秋の京都を舞台にArt Collaboration Kyoto(以下ACK)が11月1日から11月3日まで開催される(10月31日はVIPプレビュー)。ACKはユニークなアートフェアだけではなく、会場の内外で企画される展覧会やイベントも見逃せない。そのポイントを紹介する。

2023年のneugerriemschneider展示風景。Courtesy of ACK, photo by Moriya Yuki

京都国際会館を会場にArt Collaboration Kyoto(以下ACK)が11月1日から11月3日まで開催される。今年で4回目を数えるACKのプログラムディレクターは引き続き山下有佳子が務める。ほかにはないユニークなスタイルのアートフェアのほか、今年は「Resilience~わたしたちがつなぐものたち」というテーマで開催される企画展示やトークプログラム、子ども向けワークショップなど様々なアートの楽しみが用意されている。その6つの見どころを紹介しよう。

1. ギャラリーの国際的コラボが楽しいアートフェア

2023年のアノマリー×ROH-Fitz Patrikブース Courtesy of ACK, photo by slide::show

一番の見どころは、海外と国内のギャラリーが「コラボレート」して1つの展示を創り上げるアートフェア「ギャラリーコラボレーション」だ。今年は老舗から新進まで国内外の69ギャラリーが参加。ANOMALY(東京)はA Thousand Plateaus Art Space(中国・成都)とN/A(韓国・ソウル)、COHJUは(京都)はGalerie Marguo(フランス・パリ)、Sho + 1(東京)はKASMIN(ニューヨーク)などがタッグを組む。また、京都にゆかりのあるアーティストや作品を紹介するセクション「キョウトミーティング」を今年も開催。展示規模が拡大され、国内からは9ギャラリー、海外からは4ギャラリーが参加し、「京都」を意識した展示を繰り広げる。

2. テーマは「地図が語らないこと」。ゲストキュレーターの企画展示にも注目

Wong Ping, Sorry for the late reply, 2021 Courtesy of the artist, Tanya Bonakdar Gallery and Kiang Malingue

また、毎年ゲストキュレーターを迎えて企画展を開催する「パブリックプログラム」も見逃せない。今年は、 ⾹港を拠点にするアンドレ・チャン(陳⼦澂)とチョン・チンイン(張瀞尹)が2018年に結成し、現代アートとその他の⽂化領域との融合の実践が注⽬を集めるキュレーションプラットフォーム「Arts Collective」を迎える。キュレトリアルテーマは「地図が語らないこと」。出展作家はナイザ・カーン、マリア・ネポムセノ、アンリ・サラ、トマス・サラセーノ、ウォン・ピン(黃炳)ほか。また、会場内ではパートナー企業の協賛のもと特別企画の展覧会も開催される。大丸松坂屋百貨店は次世代アーティストを支援するプロジェクト「Ladder Project」の一環として渡辺志桜里をフィーチャー。シャンパーニュブランドのポメリーは京都を拠点に活動を行なう若手アーティストのさらなる活躍支援を目的として2023年からスタートしたアワード「Pommery Prize Kyoto」のファイナリスト、森夕香、矢野洋輔、油野愛子の作品を展示する。

3. 様々な領域の専門家が考えるヒントをくれるトークプログラム

2023年のトークプログラムの様子。Courtesy of ACK, photo by Moriya Yuki

会期中は、アートの分野に加え、政治、経済、ファッションや建築、食といったあらゆる領域からの専門家を招いてアート、社会、そして私たち自身の「レジリエンス/回復力」について多様な視点から考察する計9本のトークプログラムを開催する。樂家十五代当主の樂直入に山下有佳子がモデレーターを務める「継承と変化の美学 つなぐこと/越えること」や、シドニービエンナーレ2024芸術監督のインティ・ゲレロ、東京都現代美術館学芸員の藪前知子、キュレーターの山峰潤也、CHAT(Centre for Heritage, Arts and Textile)キュレーターのウェイウェイ・ウォンによる「Art Collaboration Kyoto ラウンドテーブル コミッション・ワークの未来」、アーティストのトマス・サラセーノと美術批評家でArtnet News Pro編集者のアンドリュー・ルセットによる「オンライン・アーティストトーク」など。当日先着順で参加無料。

4. 子どももアートを楽しみたい!「ACK Kid's Programs」

会場に無料のバイリンガル対応の託児所を設置するとともに、アーティストの大和美緒と安永正臣、京都芸術大学アート・コミュニケーション研究センター(ACC)による子どもを対象としたワークショップや対話型鑑賞のプログラムを実施する。

5. 会場を飛び出してアート三昧!「市内連携プログラム」

諫山元貴「Dummy」高松市美術館(2022年、香川)での展示風景 撮影:木奥惠三 (c)Genki Isayama

京都の街を回遊しながらアート展示を楽しめるACKの連携プログラムは今年さらに充実。通常非公開の京都市京セラ美術館の貴賓室で、山内祥太が「金」を使ったスペシャルインスタレーションを展開するほか、市内のギャラリーARTROと曼殊院ではヘ・シャンユ(何翔宇)展、hakari contemporaryでは諫山元貴展など、各地でギャラリーやアーティスト、キュレーターの垣根を超えた様々な展覧会が開催される。

6. アート巡りの休憩にARTnews JAPANのラウンジへ

祇園・花見小路通にあるCasa Valextraの2階サロンがACK限定でARTnews JAPANとのコラボサロンとなる。Photo: Courtesy of Valextra

ACKのメディアパートナーを務めるARTnews JAPANは、イタリア・ミラノのラグジュアリーレザーブランド、VALEXTRAとコラボレートし、ARTnews JAPAN読者とACKのVIPに向けて「ARTnews JAPAN VIPラウンジ at Casa Valextra」をオープンする。場所は、ギャラリーやアート施設にもアクセス抜群な祇園・花見小路通にあるCasa Valextraの2階。

石塚源太 感触の表裏 #30 2023 漆、麻布、発泡スチロール球、2wayトリコット 乾漆技法  84 x 64 x 60.5 cm 撮影:来田猛

ラウンジでは、ARTnews JAPANとのスペシャルコラボレーションとして、地元京都で活動する若手作家、石塚源太による作品を特別展示する。大学で漆工を学んだ石塚は、伝統的な漆芸を核として制作を続けている。物体を漆特有の深い色合いとつやを持つ透明な「皮膜」で覆った立体作品は、見るほどに奥行きが広がっていくのを感じられる。漆の持つ不思議な美しさを是非会場で体感していただきたい。

また、休憩スペースではポメリーのシャンパーニュ(10月31日、11月1日のみ提供)やARTnews JAPANオリジナルのミネラルウォーターが提供されるほか、雑誌ARTnewsの最新号やバックナンバーもチェックできる。入場にはACKのVIPパスか、ARTnews JAPANの会員ページもしくはニュースレター画面の提示が必要。

Art Collaboration Kyoto
会期:11月1日(金)~ 11月3日(日)※10月31日はプレスと招待者のみ
会場: 国⽴京都国際会館(京都市左京区宝ヶ池)ほか
時間:11:00~19:00(3日は17:00まで)

ARTnews JAPAN VIPラウンジ at Casa Valextra
会期:10月31日(木)~11月3日(日)
会場:CASA VALEXTRA(京都市東山区祇園町南側 570-8)
時間:11:00~19:00(31日は12:00から、3日は17:00まで、入場は30分前まで)

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