泥酔した英空軍技師がパディントン像を真っ二つに破壊。転売を試みるも失敗、有罪が確定

イギリス・ニューベリーに設置されていたパディントンの像がイギリス空軍に所属する2人の技術者によって破壊され、持ち去られた。その後2人は起訴され、それぞれ12カ月の社会奉仕と修理費約53万円の支払いが命じられた。

街中に設置されたパディントンの像。Photo: via X/@VisitNewbury
街中に設置されたパディントンの像。Photo: via X/@VisitNewbury

3月2日の午前2時にイギリスのバークシャー州ニューベリーに設置されていたくまのパディントンの像の一部を切断し、持ち去った罪でイギリス空軍(RAF)に所属する技術者、ダニエル・ヒースとウィリアム・ローレンスが起訴された。二人の技術者は罪を認めており、無償労働と修理費用の支払いを命じられている。この判決を言い渡す際に判事のサム・グージーは、パディントンが象徴しているものと真逆の行動を技術者たちはとったと語り、こう続けた。

「これは無分別な破壊行為です。パディントンは子どもから大人まで愛されるイギリス文化を象徴するキャラクターであって、彼は優しさを表していると同時に、寛容な心をもつよう人々に伝えている存在です。2人が2日の未明にとった行動は、軍人として失ってはならない品位と敬意が欠落していました」

ヒースとローレンスは、彼らが所属するオディハム空軍基地で逮捕され、テムズバレー警察の取り調べを受けた際に罪を認めたという。切断されたパディントンはFacebook上で中古品を売買できるFacebook Marketplaceに一時出品されていたというが、買い手が付く前にローレンスのクルマのトランクから像を回収することができたと捜査当局は発表している。

修理のために所有者の元へ帰るパディントン。Photo: Courtesy of Thames Valley Police

二人によって破壊され持ち去られた像は、映画『パディントン 消えた黄金郷の秘密』の公開を記念してイギリス全土に2024年に設置された23のパディントン像の一つ。地域の子どもたちを動揺させないために、像を破壊し持ち去る際につけられた切断跡は覆い隠されている。

パディントンは今後、ニューベリーの町での再公開に向けて修復される見通しだという。一方の技術者の二人には12カ月の社会奉仕と150時間の無償労働、そして修理費としてそれぞれ2725ポンド(約53万円)の支払いが言い渡されている。RAFの広報担当者は、二人に下された判決は認識しているというが、彼らに対する懲戒処分については公表しないと発表している。

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