3歳の少女が3800年前のお守りを発見! 「石に歯のようなものがあったから拾った」とコメント

エルサレム近郊を家族でハイキング中だった3歳の女の子が、偶然珍しい形の石を発見。これが3800年前のお守りだったことをイスラエル考古学庁が発表した。

3歳の少女が発見した3800年前のお守り。2匹のスカラベが掘られている。Photo: Courtesy Israel Antiquities Authority

イスラエル考古学庁は4月3日、エルサレム近郊を家族とハイキングしていた3歳の女の子が3800年前のお守りを偶然発見したと発表した。

3歳のジヴ・ニツヴァンは、家族でエルサレムから車で1時間ほどの場所にあるベイト・シェメシュでハイキングしていた。この発見の声明で、ジヴの姉オメルは、「妹は地面の石をじっと見、そしてかがみこんで、周りにあった石の中からこの石を拾い上げました。砂を拭き取ってみると、何か違うものだとわかりました」と振り返っている。ニューヨーク・タイムズが伝えたところによると、ジヴ自身は「石に歯のようなものがあったから(気になった)」と話している。

3歳の少女が発見した3800年前のお守り。Photo: Facebook/Israel Antiquities Authority

家族はすぐにイスラエル考古学庁に報告した。同庁が調べたところ、石は3800年前の青銅器時代のお守りで、古代エジプトの遺物によく見られるスカラベ(フンコロガシの一種)が彫られていた。当時スカラベは太陽神と同一視され、再生や復活の象徴として崇められていた。

このお守りは、テル・アズカ遺跡の近くで見つかった。高台にある同遺跡は戦略上の要衝に位置し、初期青銅器時代からビザンチン時代までの3500年間にわたって人々が居住し、強固に要塞化された都市だった。テルアビブ大学ユダヤ史学教授のオデッド・リプシッツはニューヨーク・タイムズ紙の取材に対し、お守りはエジプトで作られ、紀元前1800年頃にこの地域に住んでいたセム族の一派であるカナン人が所有していた可能性が高く、カナン人とエジプトの間に密接な関係と文化的影響があったことを示唆していると語った。だが、この場所で遺物が見つかるのは珍しいことではない。リプシッツはニツヴァン家が遺物を自分たちのものにせず報告したことを称えた。

発見されたお守りは、イスラエル古代遺産局(IAA)が運営する博物館を含む研究施設、イスラエル考古学国立キャンパスで開催する特別展で展示される予定だ。

心温まる発見の一方で、イスラエルは考古学を巡って揺れている。お守り発見のニュースが報じられた同日、イスラエル考古学庁が主催する主要な考古学会議が無期限延期となったのだ。

ハアレツ紙によるとその理由は、右派の政府閣僚グループがテルアビブ大学の考古学教授、ラファエル・グリーンバーグに対して参加の禁止を要求したためだという。グリーンバーグは会議の講演者の1人であり、長年にわたりイスラエルはパレスチナ人の土地を奪うことを目的として、ヨルダン川西岸地区と東エルサレムで発掘調査を行っていると発言してきた。この騒動を受けて、イスラエルの文化遺産相アミチャイ・エリヤフは会議の中止を求めた。(翻訳:編集部)

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