オランダ自治体がアート作品46点を「粗大ごみ」として処分。アンディ・ウォーホル作品も

オランダのマースホルスト市役所が、アンディ・ウォーホルが制作した元オランダ女王ベアトリクスをモチーフにしたシルクスクリーンを含む46点の芸術作品を誤って処分していたことが分かった。

2024年10月10日、オランダのアペルドールンにあるヘット・ルー宮殿で開催された「アンディ・ウォーホルによるクイーンズ」展を訪れたベアトリクス王女。背後には「Reigning Queens」シリーズの同王女の作品。Photo: Patrick van Katwijk/Getty images

オランダ・マースホルスト市役所が、アンディ・ウォーホルが1985年に制作した「Reigning Queens」シリーズの元オランダ女王ベアトリクスをモチーフにしたシルクスクリーンを含む46点の美術品コレクションを「粗大ごみ」として誤って処分してしまったとCNNが報じた。

マースホルスト市が4月24日に発表した声明によると、同市の美術品コレクションを整理するため地下室に保管していたところ2023年に水漏れが発生。放置したために状態が悪化し、市職員が粗大ごみと認識して廃棄。2024年11月に市が紛失に気が付き、警察に届けたという。この件について独立機関による調査が委託されたが、地元当局はこれらの作品が見つかる見込みはないとしている。

廃棄された美術品の総額は約2万2000ユーロ(約357万円)と伝えられるが、ニューヨーク・タイムスによると、ウォーホルの作品だけでも5万ドル(約811万円)の価値はあるという。

オランダで美術作品が誤って捨てられたのは、これが初めてではない。2024年10月には、オランダにあるLAM美術館で、作業していたエレベーター技術者が空のビール缶そっくりに作られた作品2点を誤って捨ててしまった事件があった。しかし作品は無傷でゴミ袋から回収され、誤解のない場所に展示し直された。

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