ハイキング中に5000万円分の金貨が詰まった箱を発見! 地中に隠された財宝はどこからきたのか?

2人のハイカーがチェコ北東部のクルコノシェ山脈の麓を探索中に古びたアルミニウムと鉄製の箱を発見。中には1800年代の金貨など34万ドル(約5000万円)相当の財宝が詰まっていた。

2人のハイカーが見つけた財宝。Photo: courtesy Museum of Eastern Bohemia.

2025年2月、2人の人物がチェコ北東部のクルコノシェ山脈の麓をハイキングしていた。彼らは、雑草が生い茂った野原を分け入っていたところ、古びたアルミニウムと鉄製の箱を発見。中には34万ドル(約5000万円)相当の財宝が詰まっていたとアートネットが伝えた。

2つの箱は合わせて約7キロ。アルミの箱の中には600枚の金貨が11の山に整然と積み重ねられ、薄い黒い布で包まれていた。鉄製のものには16個のタバコケース、10個のブレスレット、櫛、鎖、コンパクトケースが入っていた。2人は見つけた箱をフラデツ・クラーロヴェー市にある東ボヘミア博物館に持ち込んだ。

2人のハイカーが見つけた金貨の箱。Photo: courtesy Museum of Eastern Bohemia.
2人のハイカーが見つけた金貨の山。Photo: courtesy Museum of Eastern Bohemia.

デイリー・メールによれば、同館の考古学部長ミロスラフ・ノヴァクはその時の様子を「ハイカーの1人が箱を開けた時、私は驚きのあまり言葉を失いました」と話したという。

同館の考古学者たちが金貨を調べたところ、いずれも1808年から1915年の間のものであり、大半はフランス製で、そのほかベルギー、ロシア、イタリア、ルーマニア、オーストリア・ハンガリー帝国、オスマン帝国など幅広い地域で作られていたことが分かった。奇妙なことに、ドイツやチェコスロバキアの硬貨は見当たらなかった。

箱の持ち主は20世紀初頭に財宝を隠したことになるが、専門家によると、その理由は1938年の第2次世界大戦勃発時か、戦争中のユダヤ人とチェコ人の強制移住時、あるいは戦後のドイツ人追放時と多岐にわたり、まだ特定は出来ていないという。ノヴァクは1953年にソビエト連邦によってチェコスロバキアに強制された通貨改革時の可能性も示しつつ、次のように説明した。

「貴重な物品を地中に保管することは先史時代から一般的な慣行でした。硬貨の価値が揺らいだ時代に貴金属を隔離し、後で取り戻す目的で埋められたのでしょう」

東ボヘミア博物館の保存部門の専門家たちは現在、この希少な財宝をカタログ化・保存する作業を進めており、将来的には展覧会で一般公開する予定だ。全ての財宝の分析は済んではいないが、34万ドル(約5000万円)相当の価値があるという。チェコの法律により、見つけた2人のハイカーにはその10パーセントにあたる報奨金が贈られる

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