フランク・ロイド・ライト初期の傑作が2億8000万円で売り出し中! 革新的なアイデア満載の大邸宅

フランク・ロイド・ライト(1867-1959)の初期の傑作で、革新的な建築として知られるアメリカ・イリノイ州のエリザベス&ロリン・ファーベック邸が売りに出されている。価格は197万5000ドル(約2億8000万円)

Photo: Courtesy Berkshire Hathaway Home Services of CPhoto:
売りに出されているエリザベス&ロリン・ファーベック邸。Photo: Courtesy Berkshire Hathaway Home Services of Chicago.

シカゴ西部のオークパーク市にあるフランク・ロイド・ライト初期の名建築、エリザベス&ロリン・ファーベック邸が現在売りに出されているとアートネットが伝えた。

Redfinの物件情報によると、ファーベック夫妻の結婚祝いに夫の親が1897年に建てたという同邸は、美しい並木道を持つフェア・オークス・アベニュー515番地にある。2棟で構成されており、建物の総面積は464平方メートル。5つの寝室と、簡易を含む4つのバスルームを有する、全15部屋の邸宅だ。

ライトが30代初めに手掛けた同邸は、大型の窓で、外の景色をまるで絵画のように切り取る「ピクチャーウィンドウ」を住宅において世界で初めて設置したほか、ヴォールト天井を備えた書斎、3階の寝室に取りつけられたカンチレバー構造の窓など、革新的なアイデアが積極的に取り入れられた。また、住宅の前面と裏面の違いも大きな特徴だ。前面は格式高いレンガと装飾を施した石灰岩のファサードが構えるが、プライベートゾーンである裏面はカジュアルな木製の壁と梁で構成され、安らげる空間が創出されている。

エリザベス&ロリン・ファーベック邸内部の様子。Photo: Courtesy Berkshire Hathaway Home Services of Chicago.
Photo: Courtesy Berkshire Hathaway Home Services of Chicago.
Photo: Courtesy Berkshire Hathaway Home Services of Chicago.
Photo: Courtesy Berkshire Hathaway Home Services of Chicago.
Photo: Courtesy Berkshire Hathaway Home Services of Chicago.
エリザベス&ロリン・ファーベック邸の裏面。木造の梁を使い、落ち着いた外観になっている。Photo: Courtesy Berkshire Hathaway Home Services of Chicago.

この邸宅の魅力について、同邸の販売を担当するバークシャー・ハサウェイのルイーズ・ニックスはアートネットの取材に対して次のように評した。

「これは特別な住宅です。ライトのキャリアにおける過渡期の作品ですが、前面は洗練され表現豊かで、裏面は温かく親しみやすい。1つの住宅で、まるで2つの物語を語っているようです」

ライトはオークパーク市に住み、多くの建築を残した。同地には、最初に手掛けた公共建築物ユニティ・テンプル(1905)やライトの住宅兼アトリエ(1889)、その付近にはエドウィン・H・チェニー邸(1904)とウィリアム・フリッケ邸(1901)、ハリー・S・アダムス邸(1913)などが現存している。

エリザベス&ロリン・ファーベック邸の販売価格は197万5000ドル(約2億8000万円)だが、近年高まるフランク・ロイド・ライトの評価を考えると、お買い得かもしれない。先月、イリノイ州スプリングフィールドのスーザン・ローレンス・ダナ邸のためにライトが1904年にデザインしたランプ《ダブル・ペデスタル・ランプ》がサザビーズで750万ドル(約11億円)で落札され、ライトの最高額を記録した

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