シャネルがアート&カルチャー誌を創刊。「ロンドンで最もシックな両替所」ほか世界20都市で展開
2027年にイギリス進出100周年を迎えるシャネルが、「ロンドンでもっともシックな両替所」を舞台に『Arts & Culture Magazine』をローンチした。250ページにわたり様々なアーティストたちによる「未来へのインサイト」が展開されている本誌は、6月27日から銀座のシャネル・ネクサス・ホールで開催される「Dressing Up: Pushpamala N」展で無料配布される予定だ。

1910年にフランス・パリで創業されたシャネルは2027年にイギリス進出100周年を迎える。この記念すべき年に向けて同メゾンは、イベントをはじめさまざまな文化的な取り組みを強化している。
その一つとして、過去5年間にコラボレーションしたアーティストや文化機関との作品を振り返る出版物『Arts & Culture Magazine』がローンチされた。複数の紙質からなる250ページ構成の『Arts & Culture Magazine』はイギリスで制作され、シャネルの文化基金と同メゾンのアート・文化・遺産部門プレジデントであるヤナ・ピールが本プロジェクトを率いた。誌面では、参加アーティストたちによるさまざまな「未来へのインサイト」が披露されている。

シャネルはこの『Arts & Culture Magazine』の創刊を記念して、6月28日まで、ファイナンシャル・タイムズが「ロンドンで最もシックな両替所(しかもラテも飲める)」と評した、ロンドンのベイズウォーターにあるカフェと両替所とニューススタンドが融合したハイブリッドなスポット、Foreign Exchange Newsを舞台にイベントを開催。創刊号であるVol. 1は、ロンドンのほか、アムステルダム、バンガロール、バンコク、ベルリン、グラスゴー、香港、ロサンゼルス、メキシコシティ、ミラノ、ニューヨーク、パリ、サンパウロ、ソウル、上海、シドニー、台北、チューリッヒなど、世界20都市の書店でも展開される。日本においては、東京・銀座にあるシャネル・ネクサス・ホールで6月27日から開催される「Dressing Up: Pushpamala N」展で無料配布される予定だ。
『Arts & Culture Magazine』の創刊は、世界各地の印刷物と書店を支援するブランドの取り組みの一環でもある。表紙に採用されたのは、ロー・エスリッジが撮影した、2002-2003年秋冬コレクションで発表されたメタリックなサングラスを着つけたガブリエル・シャネルの胸像。この胸像は、1921年にジャック・リプシッツが制作した作品で、ガブリエル・シャネルの個人コレクションに収められている。
誌面にはほかにも、シャネルN°5のフラコンや色とりどりの貝殻や真珠を散りばめた、内側がゴールドに塗られた白い貝殻状のトレイや、創設者の星座をさりげなく示すライオンのプリントのコラージュなど、さまざまな作品が掲載されている。

また同メゾンは、イギリスでの100周年に向けたイベントとして、ストラトフォードのクイーン・エリザベス・オリンピック・パークにあるヴィクトリア&アルバート・イースト・ストアハウスを会場に、100名限定の親密なディナーと、パブロ・ピカソの舞台幕を背景にしたバレエ公演を開催した。
こうした一連のイギリスでの取り組みについて、シャネルUKのプレジデント、エリザベス・アングル・ドーリアックは『WWD』の取材に対し、「すべてはガブリエルに遡ります。イギリスはいまなおメゾンにとって特別な場所です。なぜなら私たちは今でもイギリスからツイードやカシミアを調達しているからです」と語り、こう続けた。
「地域の環境、クライアント、文化的環境に関心を寄せはじめると、さまざまな物事が明らかになり、アイデアが湧き上がってきます。私たちは常にクリエーション、創造性、職人技について考えています。それらは私たちの遺産であると同時に、現在と未来でもあるのです」
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