トランプ版「凱旋門」計画が承認──批判を押し切り、委員一新の美術審議委が決定
米連邦政府の美術審議委員会は、トランプ大統領が推進するパリの凱旋門を模した巨大凱旋門建設計画を承認した。これに対し、退役軍人団体や歴史保全関係者からも反発の声が強まっている。

昨年12月、ドナルド・トランプ大統領は、ワシントンD.C.にパリの凱旋門を模した巨大凱旋門を建設する構想を打ち出した。これについて、アメリカ連邦政府の諮問機関である「美術審議委員会(Commission of Fine Arts)」は、この計画を正式に承認した。
トランプ大統領は発表当時、この計画について国内政策担当主任ヴィンス・ヘイリーに「最優先事項として取り組むべきだ」と指示したという。
設計を担当するのは、建築事務所ハリソン・デザイン(Harrison Design)の主任であり、「セイクリッド・アーキテクチャー・スタジオ(Sacred Architecture Studio)」を率いるニコラス・レオ・シャルボノーだ。シャルボノーはニューヨーク・タイムズ紙の取材に対し、次のように語っている。
「この凱旋門の目的は、アメリカ建国250年にわたる偉大さ、自由、そして後世への継承を称えることにあります。それは、建国の父たちの英知と神の摂理への感謝にほかなりません」
凱旋門の高さは約76メートル。建設予定地は、ポトマック川に架かるアーリントン記念橋のたもとに位置するメモリアル・サークルで、その対岸には、南北戦争以降の戦没者を埋葬するアーリントン国立墓地が広がる。こうした立地から、計画発表直後から一般市民のみならず、退役軍人や歴史保全の専門家らからも強い反発が起きた。
歴史保護団体「歴史保全ナショナル・トラスト(National Trust for Historic Preservation)」も計画に強く反対している。同団体の副法務顧問エリザベス・メリットは、美術審議委員会の公聴会で次のように証言した。
「ナショナル・トラストは、提案されている凱旋門の立地、高さ、規模、そしてデザインについて、極めて深刻な懸念を抱いています。アーリントン国立墓地は、毎月数百件もの葬儀が執り行われる『生きた追悼施設』です。この凱旋門が建設されれば、国立墓地の景観を圧倒することになるでしょう」
こうした異論にもかかわらず、美術審議委員会は計画を承認した。凱旋門には黄金のワシや翼を持つ天使像などの装飾が施される予定で、委員会は当初、モニュメントをやや小規模にするため、これらの装飾を削除するよう求めていた。しかし最終的には、現行案を認める形となった。
なお、美術審議委員会の委員7人は全員、2026年1月8日から27日にかけてトランプによって任命された人物で占められている。ジョー・バイデン前大統領が任命した前任の委員たちは、トランプのもう一つの物議を醸す建設プロジェクトであるボールルームの審査を前に、2025年10月に一斉解雇された。(翻訳:編集部)
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