中国・三星堆遺跡の「跪坐人像」は寄せ集めだった? 新調査が示す古代文明の広域交流

中国・四川省の三星堆(さんせいたい)遺跡から出土した青銅製の跪坐(きざ)人像の新たな調査で、人像と頭上の器「尊」が異なる地域・時期に製作された可能性が浮上した。

中国・三星堆遺跡から出土した跪坐(きざ)人像。Photo: Courtesy Sichuan Provincial Institute of Cultural Relics and Archaeology

中国・四川省広漢市にある三星堆遺跡から出土した青銅製の跪坐人像について、新たな調査結果が発表されたとHeritage Dailyが伝えた。

研究を行ったのは四川省文物考古研究院だ。対象となったのは、頭上に「尊(そん)」と呼ばれる精巧な青銅器を載せ、両手を前に差し出してひざまずく姿で知られる跪坐人像だ。研究チームによると、人物像と尊は製作された地域も時期も異なっていた可能性が高いという。

Heritage Dailyによると、この青銅器が製造後に組み立てられたことを示す最も有力な手がかりは、尊の底部にあった。調査の結果、底部の約3分の1が人物像と接合する前に意図的に削り取られていたことが判明したのだ。また、人物像は尊よりも腐食が著しく進んでおり、研究所での分析では、両者の金属組成や製造に使われた鉱石の地質学的な産地に大きな違いがあることも確認された。さらに、人物像自体も複数の部材で構成されているとみられ、銅製の台座も他の部分とは異なる性質を持つという。

三星堆遺跡は、中国・四川省にある古代都市遺跡で、中国考古学における20世紀最大級の発見のひとつとされる。1956年に本格的な調査が始まり、1986年には殷代後期(紀元前14世紀末~前11世紀)のものと推定される祭祀坑から、多数の青銅器が出土。目が大きく飛び出した青銅仮面など、それまで知られていなかった独特の様式を持つ遺物が相次いで発見され、「謎の古代文明」として世界的な注目を集めた。

今回の跪坐人像に関する一連の調査についてHeritage Dailyは、「三星堆が中原(黄河中下流域の文明中心地)をはじめとする古代中国の各地域と文化的・商業的な交流を持ち、完成した青銅器や素材が広域で流通していた可能性を裏づける新たな証拠となった」と総括している。(翻訳:編集部)

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