「アートとクラフト、理論と感覚の交差点」──ロエベとアルバース夫妻とのコラボアイテムがローンチ

ロエベは2025秋冬コレクションの一環として、20世紀を代表する芸術家、ジョセフ&アニ・アルバース夫妻とコラボレーションしたアイテムを発表。クラフトとアートとファッションが融合したこれらのコレクションは、8月26日にローンチされる。

Josefa nd AnniAl bers,B lack MountainC ollege,N orthC arolina, 1945-48 Photographer unknown Courtesyo fth e Josefa nd Anni Albers Foundation

ロエベが、2025秋冬コレクションにおいて、20世紀モダニズムを代表する芸術家夫妻ジョセフ・アルバースとアニ・アルバースの作品をファッションへと翻訳したアイテムを発売する。

秋冬コレクション発表当時、ロエベを率いていたクリエイティブ ディレクター、ジョナサン・アンダーソンは、両者の造形思想を「色彩と構造の実験室」として捉え、それを現代のファッションに落とし込んだ。

Study for Homage to
the Square, 1966 Ernst Ploil collection,
Wien
Homage to the Square:
Precinct, 1951 MET New York
Study for Homage to the Square: Pompeian, 1964 Ernst Ploil collection, Wien
Homage to the Square:
Light Soft, 1968 Yale University Art Gallery
Study for Homage to the Square: Emanation,
1964 The Josef and Anni
Albers Foundation
ジョセフ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
ジョセフ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
ジョセフ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
ジョセフ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
ジョセフ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
ジョセフ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
ジョセフ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
ジョセフ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
ジョセフ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
ジョセフ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
ジョセフ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
ジョセフ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
ジョセフ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
ジョセフ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
ジョセフ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
ジョセフ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
ジョセフ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
ジョセフ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
ジョセフ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
ジョセフ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
ジョセフ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
ジョセフ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
ジョセフ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
ジョセフ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
ジョセフ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
ジョセフ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
ジョセフ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
ジョセフ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション

ジョセフ・アルバースが生涯に渡って取り組んだ、正方形を入れ子状に配置した「Homage to the Square」シリーズは、色彩と視覚知覚の相互作用を探求した抽象絵画の金字塔として知られる。今回のコレクションでは、その幾何学的フレーム構造が、ロエベのシグネチャーバッグ「パズル」や「アマソナ」の面構成、さらにはニットやドレスのパネルカットに用いられた。アルバースは、色彩が隣接関係によってどのように変容し、錯視を生むかを徹底的に追究したが、今回のコラボアイテムにおいても、色彩の階調は単なる装飾ではなく、動きに応じて視覚的な奥行きを生み出す機能的要素として作用している。

Anni Albers Dotted, 1959, Wool, MFA Boston
Open Letter, 1958,
Cotton, The Josef and
Anni Albers Foundation
Pas ture 1958, Cotton,
MET New York
アニ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
アニ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
アニ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
アニ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
アニ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
アニ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
アニ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
アニ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション
アニ・アルバースの作品を落とし込んだロエベ 2025秋冬コレクション

一方、アニ・アルバースは、織物を芸術の領域へと押し上げた先駆者だ。平面と立体の間を行き来する彼女のパターンは、布の構造そのものがデザインの主役であることを示してきた。本コレクションでは、その理念がジャカード織やインターシャ技法、手織りパネルを組み合わせたハイブリッドなテキスタイルとして具現化され、衣服が単なる被服ではなく「構築物」として立ち現れる。ねじれやドットといったディテールは、アニの幾何学パターンが持つリズムと緊張感を現代的に再解釈したものだ。

アンダーソンは、このコラボレーションを「アートとクラフト、理論と感覚の交差点」と位置づけていた。ジョセフの色彩理論とアニの織物構造は、いずれも感性と知性の両極を刺激する創造であり、ロエベはそれらを服飾文化の中で再構築することで、ミッドセンチュリーの造形革新を21世紀の身体感覚へと接続させたのだ。

このコレクションは、単にアートを引用するのではなく、アルバース夫妻の思考プロセスをファッションの言語へと翻訳する試みと言える。視覚と触覚、構造と色彩が密接に絡み合うその成果は、服をまとう行為そのものを「現代の造形芸術」として再定義している。コラボレーションコレクションは、8月28日にローンチ予定。

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