カニエ・ウェスト妻が不穏なパフォーマンス作品を発表。女性の身体が拘束された不気味な家具も登場
イェことカニエ・ウェストの妻でミューズでもある建築デザイナーのビアンカ・センソリが、ソウルでパフォーマンス・アーティストとしてのデビューを果たした。その舞台には、人工装具を思わせる金属と人間の身体を組み合わせたシュールな家具が並んでいた。

建築家やジュエリーデザイナーの経歴を持つビアンカ・センソリだが、現在は露出度の高い独特のファッションセンスと、カニエ・ウェスト(イェ)の妻、そしてミューズとして広く知られている。
そのセンソリが、12月12日と13日の2日間、パフォーマンス・アート作品《BIO POP(The Origin)(バイオ・ポップ [起源] )》を韓国で初披露した。これは、今後数年にわたってシリーズ展開されるパフォーマンス・アート7部作の第一弾だという。
《BIO POP》のパフォーマンスが行われたのは、ソウルのイベントスペース「Layer 41」で、500人を超える観客が集まった。センソリの公式ウェブサイトでは、厳粛で不気味なパフォーマンスの記録動画が公開されている。
14分間のパフォーマンスは、あずき色のボディスーツをまとったセンソリが、高級マンションにありそうな洗練されたアイランドキッチンで何かを準備するところから始まる。9分半の時点で彼女はオーブンの前に膝をつき、赤いドーム状の物を取り出すと、それをワゴンの上に置く。そして、ロボットのような足取りで、舞台に向かって左側にぼんやり見える白いカーテンに向かって歩いていく。
動画の最後の数分間には、作品のステートメントで「彼女自身の分身」と説明されている女性曲芸師が絡まる実に不気味な家具が登場する。彼女たちは無表情なセンソリのお面を被り、前髪を垂らしたストレートの黒髪で、肌に密着した肌色のボディスーツを身にまとっている。彼女たちは、センソリがデザインしたさまざまな家具のフレームに身体をねじり込むようにして収まっている。
2脚の椅子、2つのテーブル、シャンデリア、そしてセンソリが押してきたワゴンは、どれも廃棄された移動補助具や義肢から作られたように見える。ステンレス製のテーブルと椅子の脚は松葉杖や歩行器の脚を思わせるデザインで、「快適性」のためにクリーム色のプレキシガラスとシープスキン素材が採用されている。
アートネットが伝えるところによると、センソリのウェブサイトでは、新作のジュエリーラインが《BIO POP》の初パフォーマンスと同日に発売された。「メスブレスレット」や「膣鏡カフ」といった商品名が示すように、家具と同様、医療器具に着想を得たものだ。
センソリはメールによるプレス向けの声明で、「《BIO POP》は、身体を家庭における表現の中で演出する」ものだと述べ、「それぞれの家具は受動的な支えではなく、身体を成形する装置であり、快適さを監禁へ、家庭性を建築へと変容させる」と説明している。そして、「オブジェと身体、偶像の境界は崩れ去る」。
このシリーズの第二弾《Confessional (The Witness)(告解室 [証人] )》と第三弾《Bianca is My Doll Baby (The Idol)(ビアンカは私のドールベイビー [アイドル] )》は、2026年に発表が予定されている。(翻訳:石井佳子)
from ARTnews