エリザベス女王のレンジローバーがオークションへ。愛犬コーギー用「ドッグガード」も装備
エリザベス女王(1926-2022)が愛用した2006年型のレンジローバーが、8月23日に開催されるオークションに出品される。予想落札価格は5万ポンドから7万ポンド(約1000万円~1400万円)。

エリザベス女王が愛用したレンジローバーが、8月23日にアイコニック・オークショナーズが開催するコレクターズ・カー・セールに出品されるとアートネットが伝えた。
エリザベスは第2次世界大戦中の1945年、18歳の時にイギリス陸軍の女性部隊である補助領土サービス(ATS)に入隊し、車の整備とトラック運転の訓練を受けた。以来熱心なカーファンで、ドライバーでもあったエリザベスはフォード、ベントレー、ロールス・ロイスなど膨大な車のコレクションを持っていた。
中でも彼女が気に入っていたのがイギリスの自動車メーカー、ランドローバーが生産している高級SUVモデルのレンジローバーだ。レンジローバーは世界で初めてフルタイム4WDを採用しており、オフロードの走破性と快適性から「砂漠のロールスロイス」という異名を持つ。自然豊かな領地を走るには最適の車種で、サングラスとヘッドスカーフを身に着けてレンジローバーを運転するエリザベスの姿が度々捉えられていた。
今回出品されるのは、2006年から2008年まで女王が所有していた4.2スーパーチャージド ヴォーグSE(L322)。イギリス王室に好まれていた、トンガグリーンの車体にサンドオックスフォードレザーの内装、いわゆる「グリーン・オーバー・タン」の配色を踏襲している。また、女王のオリジナル仕様でサイドステップと愛犬たちのための特注ドッグガード、ボンネットには女王所有の車であることを意味する銀製の雉をくわえた猟犬のマスコットが付けられている。さらにセキュリティ対策として、内部配線は細心に改良されている。
走行距離は19キロで、状態は全体的に良好だ。排気量以上のパワーを出すためのメカニズムである4.2リッター・スーパーチャージドV8エンジンを搭載しており、王室が所有したレンジローバーの中で唯一のスーパーチャージド仕様となる。
エリザベスはこの車をウィンザー城周辺で使用しており、2007年に開催されたロイヤル・ウィンザー・ホース・ショーの写真では、女王がこの車を運転する様子を確認することができる。
この車は8月23日にイギリスのシルバーストーン・フェスティバルで開催するアイコニック・オークショナーズ主催のコレクターズ・カー・セールに出品される。予想落札価格は5万ポンドから7万ポンド(約1000万円~1400万円)。
アイコニック・オークショナーズの最高経営責任者兼主任競売人であるロブ・ハバードは、女王のレンジローバーについてアートネットの取材に、「自動車としての優秀性と比類なき歴史的意義を兼ね備えています。これほど卓越した来歴を持つ車両が市場に出ることは稀であり、カーコレクターや女王のファンにとってはまたとない機会となるでしょう」と語った。