アンディ・ウォーホルのアートカー設置作業中の事故で男性が死亡。作品は過去に森美術館で展示
9月17日、ワシントンD.C.のナショナル・モールでアンディ・ウォーホルが1979年に制作したアートカーを展示するための作業をしていたところ、男性運転手がアートカーの下敷きになり死亡する事故が起こった。

9月17日、スミソニアン国立アメリカ歴史博物館とアメリカ農務省ビルの間にあるナショナル・モールの仮設テントにアンディ・ウォーホルが1979年に制作したアートカーを設置する作業をしていたところ、男性運転手が車の下敷きとなる事故が起こった。アートニュースペーパーが伝えた。
ウォーホルのアートカーは、9月17日から23日まで開催予定だったポップアップ展示会「Cars at the Capital」で公開されるはずだった。地元のABC系列局WJLAによると、男性運転手が平床トラックから車を下ろそうとした際にウインチが突然外れ、車の下敷きとなったという。男性はすぐに救命措置が施されたが、現場で死亡が確認された。
事故が起こったアートカーは、1979年に行われたBMWのアートカー・プログラムの一環として、同年のフランスのル・マン24時間レースに参加したBMW M1にウォーホルがわずか28分で赤、青、黄、緑の大胆なペイントを施したもの。この車は同プログラムにおけるアレクサンダー・カルダー、フランク・ステラ、ロイ・リキテンスタインに続く4台目のアートカーであり、その評価の高さから最近、アメリカ国家歴史的車両登録簿に追加されたばかりだ。日本では、2014年に森美術館で開催された「森美術館10周年記念展 アンディ・ウォーホル展 :永遠の15分」で展示されている。
この事故を受けて、「Cars at the Capital」を主催する自動車保険大手ハガティの非営利部門ハガティ・ドライバーズ財団は展示会の中止を発表した。同財団の広報担当者はJalopnikの取材に対して、「17日の午後、ワシントンD.C.で悲劇的な事故が発生し、トラック運転手が死亡しました。故人のご家族に心よりお悔やみ申し上げます」とコメントした。BMWの広報担当者も声明を発表し、「故人のご家族に心からお悔やみ申し上げます。故人への敬意から、現時点ではこれ以上のコメントは控えます」と述べた。