ファッションショーにモナ・リザ現る!? 大人気インフルエンサーが名画を再現

9月下旬、BOSSの2026年春夏コレクションがミラノで発表された。その客席に、ルーヴル美術館で最人気を誇る名画に描かれたあの女性が現れた。

モナ・リザに扮してBOSSのファッションショーに出席したアレクシス・ストーン。Photo: Getty Images

Instagramに130万人、TikTokに89万人のフォロワーを有し、アレクシス・ストーンとして知られるメイクアップアーティスト兼ドラァグクイーンのエリオット・ジョセフ・レンツ。特殊メイクや特殊造形を駆使し、若き頃のジュディ・ガーランドやドリー・パートン、バーバラ・ストライサンドといった著名人になりきってきたレンツの変身動画は、SNSで大人気だ。ものまねメイクで人気のインフルエンサーはほかにも数多く存在するが、顔だけでなく全身を本人に寄せる点で、レンツは際立っている。

そんなレンツが、9月下旬にミラノで行われたBOSSの2026年春夏コレクション出席に際して選んだのは、モナ・リザ。同ブランドのクリエイティブディレクターを務めるマルコ・ファルチオーニは、彼を起用した背景に、「ドイツの情熱的な精神を体現したかった」と語っている。それがモナ・リザとどう結びついているかは不明だが、最新コレクションに身を包み、高い技術力でモナ・リザになりきっていたレンツは、ゲストたちの中でもひときわ強い存在感を放っていた。

レンツはこれまでも、さまざまなキャラクターに扮してファッションショーに出席してきた。2022年にはロビン・ウィリアムズ演じるミセス・ダウトファイア、今年は『アダムスファミリー』のモーティシア・アダムスとして参加している。さらに2024-25年秋冬クチュールコレクションでは、『プラダを着た悪魔』の編集長ミランダ・プリーストリー姿を披露。メリル・ストリープが演じたこの人物は、VOGUE元編集長のアナ・ウィンターをモデルにしたことでも広く知られている。

こうした著名なキャラクターに扮することについて、レンツはCNNにこう語っている

「ブランドは常に、話題を作ろうとさまざまな仕掛けを用意しています。多くの人々にとって親しみものある、あるいはカルト的人気を誇るキャラクターになりきった私の変装は、そうしたブランドにとって究極のマーケティングなのでしょう。動く看板のようなものですし、ブランドはキャラクターたちがもつ魔力を借りているんです」

from ARTnews

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