ドン・ペリニヨンと村上隆がコラボ、限定エディションを発売。「お花」のエチケットで「時を超越」

1743年創業の老舗シャンパーニュ・ブランド、ドン・ペリニヨンは10月1日、村上隆を起用した2種類の限定商品を発売した。村上の代名詞とも言える「お花」に彩られたデザインは、「100年、200年先にも意味を持つものでありたい」という願いのもと制作されたという。

「ドン ペリニヨン ヴィンテージ 2015  村上隆 限定エディション」と村上隆。Photo: ©Takashi Murakami/Courtesy Dom Pérignon

シャンパーニュ・ブランド、ドン・ペリニヨン村上隆がコラボレーションし、10月1日に2種の限定商品を発売した。

今回村上は、「ドン・ペリニヨン ヴィンテージ2015」と「ドン・ペリニヨン ロゼ ヴィンテージ2010」のラベルと付属ボックスをデザインした。ブドウ畑の意匠で知られるドン・ペリニヨンの伝統的な盾(シールド)型のエチケットは、村上の代名詞とも言える「お花」の幻想的な風景に置き換えられた。

コラボレーションの発表を伝える同社のプレスリリースでは、そのデザインについて、「花のモチーフ、鮮やかな色、そして予期せぬボリュームは、生命の爆発的な力を変容として表現しています。ドン・ペリニヨンの時代を超越したコードが、村上のダイナミックなスーパー・フラットと出会い、自然と超自然、儀式とポップ、抑制と躍動を橋渡しする創造が生まれます」と説明している。一方で、村上は次のように述べた。

「コラボレーションを通じて、私はある種のタイムトラベルのような感覚を表現したかったのです。100年、200年先にも意味を持ち、時を超越する存在でありたいのです。ラベルが時を経て古び、私や子どもたちもこの世を去った後、未来の人々がそれを目にしたとき、彼らの心の中で2025年を再び思い描いてくれることを願っています」

「ドン ペリニヨン ヴィンテージ 2015  村上隆 限定エディション(Dom Pérignon Vintage 2015 Takashi Murakami Limited Edition)」限定ギフトボックス付き 希望小売価格:4万3340 円(税込)
「ドン ペリニヨン ロゼ ヴィンテージ 2010 村上隆 限定エディション(Dom Pérignon Rosé Vintage 2010 Takashi Murakami Limited Edition)」限定ギフトボックス付き 希望小売価格:6万8640 円(税込)
Photo: ©Takashi Murakami/Courtesy Dom Pérignon

協業にあたって、ドン・ペリニヨン醸造最高責任者 ヴァンサン・シャプロンと村上は緊密に連携し、2者の間には「歴史的な技の継承」と「絶え間ない革新の追求」があることを確認した。村上は、独自の視覚言語である「スーパーフラット」によって、伝統的な日本美術のコード(平面性・最小限の線・飽和と余白の均衡)を現代文化のレンズを通して再構成している。ドン・ペリニヨンの歩みも同様に、メゾンの長い歴史は新たな調和の探求を目指すものであり、伝統は新しい表現のための視点として常に更新・強化されながら未来へと投影されている。

このコラボレーションは、2025年5月に始動した新たなクリエイティブキャンペーン「創造は永遠の旅」の一環として行われた。村上の限定デザインは同キャンペーンの第1弾であり、今後、女優・作家・監督として活躍するゾーイ・クラヴィッツ、ミシュラン三つ星シェフのクレア・スミス、アーティストで俳優のティルダ・スウィントン、ダンサー兼振付師のアレクサンダー・エクマン、アーティスト・プロデューサー・監督のアンダーソン・パーク、ミュージシャン・俳優・ラジオパーソナリティとしても知られるイギー・ポップら6人のクリエイターとの協業が予定されている。

ARTnewsの「トップ200コレクター」の常連であるベルナール・アルノーが所有するコングロマリット、LVMH傘下のドン・ペリニヨンは、2005年以降、アンディ・ウォーホルジャン=ミシェル・バスキアジェフ・クーンズデヴィッド・リンチなど、様々な著名アーティストとコラボレーションを行ってきた。村上はLVMHと縁が深く、アルノーが設立したルイ・ヴィトン財団のウェブサイトによれば、同財団のコレクションには少なくとも11点の村上作品が収蔵されている。また、傘下のルイ・ヴィトンとは2003年に「マルチカラー・モノグラム」を発表し、以降、何度か新たなコラボレーションが行われ、2025年にはコラボ20周年を記念した同コレクションの再販が行われている

ドン・ペリニヨンと村上隆のコラボ商品は、日本では数量限定で全国の主要百貨店で販売されているほか、オンラインでも購入することが出来る。(翻訳:編集部)

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