クリスティーズ、中東の近現代美術オークションで快挙! 8作家が史上最高額を更新

クリスティーズロンドンで11月6日、中東の近現代美術に特化したオークションが開催された。全39作品のうち85パーセントが落札され、販売総額は410万ポンド(約8億2900万円)を達成。うち8作家が史上最高額を記録した。

サイード・エル・アダウィ《Untitled》(1972)Photo: Courtesy Christie's

クリスティーズロンドンで11月6日、中東の近現代美術に特化したライブオークションシルシラ:ダールール・コレクションのハイライト展 現代および近現代中東美術を含む」が開催された。同セールでは39作品中85パーセントが落札され、金額ベースでは93パーセントの販売率を達成。販売総額は410万ポンド(約8億2900万円)にのぼり、8作家が自己最高記録を更新した。

今回のロットのうち21点が、レバノンを拠点とするダルール・アート財団(DAF)からの出品。同財団の根幹をなすコレクションは、ラムジ・ダールール博士とサエダ・エル・フセイニ・ダルール夫妻が約55年かけて構築したもので、総数は約3000点にのぼる。その数と質から、世界で最も重要かつ包括的なアラブ近現代美術のコレクションのひとつとみなされている。

今回のオークションの中で最も驚くべき落札は、サルーア・ラウダ・シュケールの《Poem》(1966-68)。予想落札価格7万5000ポンド~8万5000ポンド(約1500万円~1700万円)の約5倍にあたる39万3700ポンド(約8000万円)でハンマーが下ろされた。 次いで、パレスチナの画家であるスリマン・マンスールの《Untitled》(2014)は、4分以上にわたる激しい競りの末、予想価格の12万~18万ポンド(約2400万円~3600万円)を大きく上回る32万3850ポンド(約7000万円)で落札された。

そのほか、カマル・ブーラタの《Nocturne I》(2001)が予想落札価格3万~5万ポンド(約600万円~1000万円)の3倍近くとなる16万5100ポンド(約3300万円)、ヘレン・カールの《Untitled》(1985)が、予想落札価格3万~4万ポンド(約607万円~810万円)の倍以上となる9万5250ポンド(約2000万円)で落札された。

サルーア・ラウダ・シュケール《Poem》(1966-68)Photo: Courtesy Christie's
スリマン・マンスール《Untitled》(2014)Photo: Courtesy Christie's
マフムード・サイード《La fille aux yeux verts (réplique)》(1932)Photo: Courtesy Christie's
カマル・ブーラタ《Nocturne I》(2001)Photo: Courtesy Christie's

この日のロットのうち56パーセントが予想落札価格を超える金額で取引され、8作家がオークション記録を打ち立てた。予想価格を超えたもののうちの4点はダルール・コレクションから出品されたもので、前述のサルーア・ラウダ・シュケール、スリマン・マンスール、カマル・ブーラタに加え、モナ・サウディ、アマル・ファルハット、サイード・エル・アダウィ、ファハド・アル=ハジャイラン、ライラ・シャワの作品だった。

このセールの好調な結果は、数十年にわたり過小評価され続けてきた中東や北アフリカのアーティストたちが最近になって世界的な注目を集め、それがアート市場に波及していることを示している。また、同セールの参加者の38パーセントがクリスティーズを初めて訪れており、21パーセントがミレニアル世代だった。このことから、中東作家の作品が特に若いコレクターの興味を集めていることが窺える。

クリスティーズ・ミドルイースト&アフリカのリダ・ムムニ会長と同スペシャリストのマリー=クレア・ティジェンは共同声明の中で、「今回のセールは、中東の近現代美術の並外れた深みと活力を浮き彫りにしました。買い手の20パーセント以上がミレニアル世代であり、これらのアーティストの遺産は明らかに新しい世代と共鳴しています」とコメントした。(翻訳:編集部)

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