DIC川村記念美術館コレクションから、モネ《睡蓮》が70億円、シャガール《ダビデ王の夢》が41億円で落札

11月17日、クリスティーズ・ニューヨークで開催された「20世紀イブニング・セール」にDIC川村記念美術館コレクションから8作品が出品された。そのうち、シャガール《ダビデ王の夢》(1966)は予想落札価格の2倍以上となる2650万ドル(約41億円)で落札。目玉作品とされていたモネ《睡蓮》(1907)は、予想落札価格よりわずかに高い4548万ドル(約70億5176万円)で販売された。

41億円で落札されたシャガール《ダビデ王の夢》(1966)Photo: Courtesy of Christie’s

DIC株式会社は、DIC川村記念美術館コレクションから主要な作品80点の販売をクリスティーズに委託することを発表。そのうちの8点が、11月17日の夜にクリスティーズ・ニューヨークで開催された「20世紀イブニング・セール」に出品された。

その中でも一番盛り上がった作品は、マルク・シャガール《ダビデ王の夢》(1966)だった。観客や電話からの活発な入札が相次いだ。5分に渡る競り合いの末、アートアドバイザーのラルフ・デルーカが顧客のために予想落札価格800万ドル~1200万ドル(約12億3600万円~18億5000万円)の2倍以上となる2650万ドル(約41億円)で落札。会場からは拍手が起こった。

次に注目されたのはアンリ・マティス《椅子に座り、左手を頭の下に置いた裸婦》(1920)で、電話入札による小刻みな競りが続き、予想落札価格250万ドル~350万ドル(約3億9000万円~5億4000万円)を大きく上回る678万ドル(約10億5000万円)で落札された。

目玉作品とされていたクロード・モネ《睡蓮》(1907)は鈍い入札が続き、予想落札価格4000万~6000万ドル(約62億円~約93億円)をわずかに超える4548万ドル(約70億5176万円)で決着。ルノワール《水浴する女》(1891)は、日本からの電話入札者も参加していたが、予想落札価格750万ドル~1000万ドル(約11億6000万円~15億4500万円)のところ、別の電話入札者が1000万ドル(約15億4500万円)で落札した。

モネ《睡蓮》(1907)Photo: Courtesy of Christie’s
ルノワール《水浴する女》(1891)Photo: Courtesy of Christie’s
シャガール《ダビデ王の夢》(1966)Photo: Courtesy of Christie’s
マティス《椅子に座り、左手を頭の下に置いた裸婦》(1920)Photo: Courtesy of Christie’s
李禹煥《From Winds》(1986)Photo: Courtesy of Christie’s
ヘンリー・ムーア《ブロンズ・フォーム》(1985)Photo: Courtesy of Christie’s

そのほかの作品も、おおむね予想落札価格を超えた。もう1つのシャガール作品《赤い太陽、あるいは恋人たちの太陽》(1949)は、予想落札価格700万ドル~1000万ドル(約10億8000万円~15億4500万円)のところ1100万ドル(約17億円)、李禹煥の平面作品《From Winds》(1986)は予想落札価格100万ドル~150万ドル(約億5400万円~2億3000万円)が152万ドル(約2億3600万円)。デイヴィッド・スミスの彫刻作品《ボルトリ・ボルトンIV》(1962)は、予想落札価格120万ドル~180万ドル(約1億9000万円~2億8000万円)のところ127万ドル(約2億円)、ヘンリー・ムーア《ブロンズ・フォーム》(1985)は予想落札価格300万ドル~500万ドル(約4億6600万円~7億7600万円)が385万ドル(約6億円)で落札された。

今回出品された8点以外に、12点のコレクションがクリスティーズで11月に開催される印象派・近代美術および戦後・現代美術のデイセールで売却される予定だ。

大手化学メーカーのDIC株式会社が運営していた千葉・佐倉市のDIC川村記念美術館は、1990年にオープンした。その30年以上に渡る歴史の中で、マーク・ロスコの「シーグラム壁画」7点をはじめとする近現代の珠玉のコレクションを築いてきた。だが同館の理事会は2024年8月に美術館を休館する意向を明かし、周囲からの反発を受けて12月に同館の「縮小と移転」を決定。美術館が所有する754点のうち、384点の美術品の販売を検討すると発表した。9月19日に公開したリリースによると、その後、そこから同社のアイデンティティを象徴する作品群を1/4程度(100点程度)に絞り込み、残る3/4程度(280点程度)を売却するプロセスを検討したという。

DIC川村記念美術館は、今年3月31日に同地での営業を終了。公益財団法人国際文化会館と協業関係を結んだDICは、今後、東京・六本木にある国際文化会館に新拠点を開館させてコレクションの一部を展示し、ロスコの「シーグラム壁画」7点をSANAA設計の特別展示室に設置することを明らかにしている。

あわせて読みたい