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バンクシーが万引き犯に協力を要請? ファッションブランドのGUESSによる盗作疑惑を受けて

バンクシーは自身のインスタグラムを通じて、アメリカのファッションブランド、GUESSが自身の作品画像を無断で使用したと糾弾。盗作は許されて万引きは許されないのか? と、フォロワー1180万人(11月21日時点)に疑義を呈した。

バンクシー GUESS
ロンドンのリージェントストリートにある、GUESSのウィンドウディスプレイ。中が見えないよう覆いがかけられている(2022年11月18日撮影)。 Photo: REUTERS/Henry Nicholls

11月18日、バンクシーは自身のインスタグラムに、ロンドンのリージェントストリートにあるGUESSの店舗のウィンドウディスプレイの写真を投稿した。

この写真には、「Brandalised」という文字とともに、バンクシー作品を背景にバンクシー作品を用いたカプセルコレクションが並ぶウィンドウディスプレイが写っている。バンクシーは、「Attention all shoplifters(万引き犯の皆さん)」と呼びかけ、「リージェントストリートのGUESSのショップに行こう。彼らは無断で私の作品を使用した。これが許されて、なぜ彼らの服に同じことをしてはいけないのか?」というコメントを投稿した。

バンクシーのインスタグラム投稿。Photo: Instagram/@banksy(https://www.instagram.com/p/ClGt3p4Mljx/?utm_source=ig_embed&ig_rid=bb5e4e76-eebc-4bb2-bd21-7da6ea64f0d9)

カプセルコレクションには、バンクシーの代表作である《Love Is In The Air》、《 Flying Balloon Girl 》のほか、《Queen Ziggy》、ロサンゼルスのビルボード広告にミッキーを描いた《Living the Dream》、《Thug for Life Bunny》が含まれている。 

GUESSのカプセルコレクションの公式発表では「インスピレーション」という言葉が使われ、アイテムは、Brandalisedとのパートナーシップで制作されたと書かれている。Brandalisedは、「バンクシーの作品画像を管理し、ファンに手頃な価格のグラフィティグッズを提供することを使命とする」英国のFull Colour Black社によるプロジェクト。

GUESSのチーフ・クリエイティブ・オフィサーのポール・マーシアーノはプレスリリースで、「バンクシーのグラフィティは大衆文化に共鳴し、驚くほどの影響力を持っています」「このBrandalisedとのカプセルコレクションは、ファッションを通じた(バンクシーへの)感謝の気持ちの表明です」と語っている。コレクションの洋服とアクセサリーの価格は、40ユーロから270ユーロ(約6000円~4万円)。

英『BBC』は、バンクシーのインスタグラム投稿を受け、GUESSは当該店舗を閉め、ウィンドウを布で覆い警備員を配置したと報じている。ARTnewsの取材に対し、GUESSが現時点で回答していない。(翻訳:編集部)

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