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アニメNYCとアニメロサンゼルスがAIアートを禁止! 「AI生成作品は偽造品」

アメリカの大手アニメコンベンション、アニメNYCとアニメロサンゼルスは、個人参加のアーティストがイラストや絵画、グッズを販売する「アーティストアレイ」でのAIアート禁止の方針を明らかにした。

2021年11月25日にニューヨークで行われた第95回メイシーズ感謝祭パレードに登場したドラゴンボール・悟空のバルーン。Photo: Michael Loccisano/Getty Images

ニューヨークのアニメコンベンション、アニメNYCの担当者はARTnewsのメール取材に対し、「我われはAIで生成されたアートを許可しない」とし、「今年のアニメNYCでは、世界中から多様なスタイルを持つ300人以上のアーティストが選ばれたが、参加作家は全てベテランのアーティストアレイチームによってキュレーションされている」と回答した。

担当者によると、AIアート禁止についての公式発表はまだだが、2023年の申請手続きでは、AI生成アートに対する制限を正式に設ける予定だという。

一方、アニメロサンゼルスは11月17日、AI生成アートに関する施策を発表。「AIによって生成されたアートを宣伝物に使用したり、展示ホールやアーティストアレイで販売したりすることを認めない」という方針を明らかにした。これにより、23年1月上旬に開催されるアニメロサンゼルスでAI生成作品が販売されていることが判明した場合は、偽造品とみなし、撤去を求めるとしている。

DALL-E 2(ダリ2)をはじめ、テキストから画像への変換を行うAIジェネレーターが次々と生まれる中、AI生成作品に関する問題や論争が急増している。こうした状況を踏まえ、両コンベンションは新しい方針を打ち出すことになった。

たとえば、韓国の著名なイラストレーターで漫画家のキム・ジョンギ(金政基)が10月に急逝した後、あるファンがAIジェネレーターでジョンギの画風を再現すると、多くのファンから非難の声が上がった。AIによる画像生成は作家の知的財産権を侵すものではないか、という議論が巻き起こった。

そのため、アニメロサンゼルスでは、テキストから画像を生成する現在のAIアートは盗用とみなしている。一方で、今後開発される技術については例外とする予定だ。

アニメロサンゼルスの声明では、次のように述べられている。「将来、アーティストの作品のうち特定の画像のみを使用するようなプログラムが作られた場合、AIで生成された作品が盗用画像を用いていないことを証明するのはアーティストの責任となる」

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