ウフィツィ美術館の非正規職員「雇い止め」に労働組合が抗議。正職員の労働条件悪化も指摘

1月4日、イタリアフィレンツェウフィツィ美術館で臨時職員の雇い止めに異議を申し立てる抗議行動が展開された。旗や発煙筒などで気勢を上げた参加者が掲げた横断幕には、「不安定な生活はもうたくさんだ」と書かれていた。

ウフィツィ美術館での抗議行動の様子。Photo: Courtesy Sudd Cobas

イタリアで一、二を争う人気美術館、フィレンツェウフィツィ美術館で、臨時職員数人の失業をめぐる抗議活動が行われた。アート・ニュースペーパー紙の報道によると、同館の警備や受付、書店やクロークなどの管理運営を委託されていた業者が昨秋から変更されたことによる雇い止めが理由だという。

抗議行動を呼びかけた労働組合「Sudd Cobas(サッド・コバス)」は、インスタグラムへの投稿で不満を露わにしている。

「新年の抱負:ウフィツィ美術館の労働者たちとともにあり続ける。今、問われているのは、労働や都市、文化に対する従来とは異なるあり方だ」

サッド・コバスはその前にも、「多くの市民が(労働者たちと)連帯している。彼らの闘いが市政全体に関わる問題であることをはっきり理解しているからだ。フィレンツェの観光事業は、低賃金で不安定な労働者に依存し続けることはできない」と投稿していた。

さらに同組合は、次のように主張している。

「最近の契約変更以降、正職員の労働条件も悪化している。フィレンツェの美術館が過去20年間にわたり採用してきた契約管理方式を、根本から変える必要がある。それは不安定な労働者を大幅に増加させただけでなく、同一業務に異なる契約形態と賃金体系が存在する待遇差や、『一級』労働者と『二級』労働者の分断を生み出した」

アート・ニュースペーパー紙によると、ウフィツィ美術館のチケット販売や警備、ホスピタリティサービスといった運営管理は、2006年以降、オペラ・ラボラトリ・フィオレンティーニ社が受託していた。それが昨秋、コープクルトゥーレ社へ移管されたことが抗議行動の発端となった。業務委託先の変更後、正職員の雇用は維持されたが、臨時職員が再雇用されなかったためだ。

新規の委託先業者は、雇用契約の更新に関する同紙の取材にこう答えている。

「入札公告に示されていた規定を完全に遵守しています。公告には雇用継続を保証すべき労働者のリストが含まれており、それ以外の臨時契約者は手続きの対象外でした。したがって、後者は我われが新たに獲得した営業権の範疇に入っていません」(翻訳:石井佳子)

from ARTnews

あわせて読みたい