古代ローマ、幻の邸宅「グリフィンの家」が一般公開へ──立ち入り禁止区画は「ライブ配信」で体験

イタリア・ローマ市は、古代ローマの遺跡と現代都市が重なり合う「遺跡と共に生きる都市」だ。そのローマで、これまで未公開だった古代ローマの住宅「グリフィンの家」が、2026年3月3日からライブ配信によるツアー付きで一般公開される。

パラティーノの丘にある遺跡群。Photo: Lachas D/Alpaca/Andia/Universal Images Group via Getty Images

イタリア・ローマ市は、これまで未公開だった古代ローマの住宅「グリフィンの家」を、2026年3月3日から一般公開すると発表した。

グリフィンの家は、コロッセオ(円形闘技場)やフォロ・ロマーノ(古代ローマ広場)を含むコロッセオ考古学公園内、パラティーノの丘の上部に位置する紀元前2〜1世紀の住居だ。19世紀にイタリアの考古学者ジャコモ・ボーニによって発見されるまで、長らく地中に埋もれていた。地上1階の一部と地下部分のみが現存しているが、地下の部屋群には、その名の由来となったグリフィンが描かれたスタッコ装飾のほか、壁や床には保存状態が極めて良好なフレスコ画や多色のモザイクが残されている。地上部には、アトリウムとプールを見ることができる。

アートネットによれば、構造の安定性向上や壁画の保存、照明設備の設置を目的とした数年にわたる修復作業がこのほど完了し、2026年3月3日からの公開が決定した。ただし、来訪者がグリフィンの家全体を歩いて見学することはできない。地下の部屋群へは壊れやすい階段を昇り降りしなければならず、安全面の理由から立ち入りが禁止されている。

その代替として、公園側はリモートツアーを導入する。来訪者は地上階から、ビデオカメラを装着したガイドが地下階を探索する様子をライブ配信で視聴する形となる。

AP通信によると、解説ツアーは英語またはイタリア語で実施され、当面は毎週火曜日に、1グループ最大12人までの少人数制で行われる予定だ。

このプロジェクトは、欧州連合が支援するイタリア国家復興・強靱化計画の一環として進められている取り組みの1つで、コロッセオ考古学公園で展開される10の事業の一部にあたる。観光と文化分野におけるデジタル化を推進すると同時に、混雑しがちなコロッセオやフォロ・ロマーノ以外のエリアへと来訪者を誘導することを目的としている。(翻訳:編集部)

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