メグ・ウェブスターとコム デ ギャルソンが香水を発表。春の雨上がりや森の空気を思わせる原初的な香り
自然素材を用いた彫刻で知られるアメリカの現代アーティスト、メグ・ウェブスターが、コム デ ギャルソンとDIAアート・ファウンデーションとともに初の香水を発表する。3月19日に発売されるこのフレグランスは、春の雨上がりや深い森の空気を思わせる原初的な香りをコンセプトにしている。

自然素材を使った彫刻やインスタレーションで知られるアメリカの現代アーティスト、メグ・ウェブスターと1969年に川久保玲が設立した日本のファッションブランドコム デ ギャルソン、そしてニューヨークの非営利芸術財団DIAアート・ファウンデーションのコラボレーションによる香水が3月19日に発売される。
1944年生まれで現在80代のメグ・ウェブスターは、1980年代初頭からニューヨークを拠点に活動してきた。代表作《Stick Spiral》(1986)は、ギャラリーの床に盛り土をし、木の枝で巨大ならせん形を作り出す。観客はその周囲や内部を歩くことができ、湿った大地の匂いが五感を包み込む。彼女の作品はポスト・ミニマリズムやランド・アートの流れと深く関わり、自然と人間の関係や環境への意識を喚起するものとして評価されてきた。
今回、ウェブスターと、彼女の作品を展示・収蔵してきたDIAアート・ファウンデーション、そしてコム デ ギャルソンがコラボレーションし、ウェブスター初となるシグネチャー・フレグランスが誕生した。US版ARTnewsの編集部に送られたサンプルによると、この香りはジェンダーレスで、ウッディな香りがゆっくりと広がり、最後にムスクがほのかに漂う。まるで森の中で足元の枝を踏みしめるような感覚だという。
このフレグランスの名称はまだ公表されていない。ボトルは、ウェブスターの立体作品でもおなじみの磨かれた銀色の四面体(三角錐)の箱に収められている。

Sometimes Containing Rain》(2013)© Meg Webster
フレグランスについて、ウェブスターはUS版ARTnewsに次のように語った。
「私は自然素材を使って彫刻作品を制作しています。それらは幾何学的な形に作られ、身体で直接感じ取れるよう意図されています。制作の過程が見えることも大切です。コム デ ギャルソンとDIAと共同で開発したこの香水は、春の雨上がりの空気や、深い森を歩いた後の空気のような、原初的な香りを目指しています」
コム デ ギャルソンの服は、あえて身体のラインに沿わせず、ときに大胆にぶつかり合う断片のようなパーツで構成された幾何学的な構造を特徴とする。その独特な造形はファッションの枠を超え、しばしば現代アートのようだとも評されてきた。同ブランドはアートやカルチャーの分野にも活動を広げており、これまでにサーペンタイン・ギャラリーやトレイシー・エミン、ライフスタイル誌「モノクル」、そして作曲家マックス・リヒターとコラボレーションした香水を制作している。リヒターとのコラボレーションで生まれた香りは、鉛筆の芯を思わせるグラファイトやピアノの響板、杉、ヴァイオリンなどを想起させるものだった。
コム デ ギャルソンは今回のコラボレーションを記念し、マンハッタンのウェスト22丁目にある店舗でウェブスターの作品《Copper Containing Salt II》(2017)を展示する。これは一枚の銅板を円筒状に巻き、その内部を砕いた岩塩で満たした彫刻作品シリーズの1作だ。金属と塩という、一見相容れない2つの素材が滑らかで共生的な形態を生み出している。もう1つの同作品は、その向かいにあるDIAアート・ファウンデーションが運営するチェルシーのスペースで展示され、2つの展示空間が呼応する形となる。
ウェブスターの代理人であるポーラ・クーパーは、US版ARTnewsに対し、「《Copper Containing Salt II》は、自然素材をシンプルな幾何学的形態へと形づくるウェブスターの代表的な作品群をよく示す、典型的な彫刻作品です」と語った。
この香水は3月19日にコム デ ギャルソンのブティックおよび公式サイトで発売される予定だ。(翻訳:編集部)
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