アンディ・ウォーホルの「ファクトリー」跡地にユニクロ出店。限定商品も展開
アンディ・ウォーホル(1928-1987)の伝説的スタジオ「ファクトリー」として使われたビルがユニクロ店舗として再生され、4月3日にオープンした。それにちなみ、当時のウォーホルの肖像や作品を用いたTシャツやトートバッグも限定販売されている。
アンディ・ウォーホルのスタジオ「ファクトリー」として使用されたビルが、ユニクロの店舗として生まれ変わり、4月3日にオープンを迎えた。
場所はニューヨークのブロードウェイ860番地に建つ商業ビル。ウォーホルは1970年代半ばから1984年にかけて、同ビルの3階にファクトリーを構えていた。1960年代のファクトリーがパーティ空間として知られていたのに対し、この時期は文化人の交流の場としての機能を保ちつつも、富裕層からの依頼による肖像画制作や、雑誌『Interview』の編集など、より実務的な活動が行われていた。

その後、このビルにはさまざまなテナントが入居した。1980年代にはナイトクラブ「アンダーグラウンド」が営業し、90年代半ばにはアメリカ最大級のペット用品チェーン「ペットコ(Petco)」が開店した。ペットコは2023年に近隣へ移転し、その後1階は空室の状態が続いていた。
860ブロードウェイの新店舗「ユニオンスクエア店」は、ユニクロにとってニューヨークで7店目、アメリカでは86店目となる。同店舗が、かつてファクトリーのあった3階部分をどのように活用するかは現時点では確認されていないが、ユニクロはウォーホルとこのビルの縁を開業プロモーションに積極的に活用している。2日に公開されたインスタグラムの投稿では、1983年に撮影されたウォーホルのモノクロ写真と、1978年に制作されたプリント作品《Self-Portrait with Skull》が紹介され、投稿にはウォーホル財団もタグ付けされている。これらのイメージを用いたTシャツやトートバッグがユニオンスクエア店限定で販売されるという。
商業や広告的イメージを意図的に作品に取り込んでいたウォーホルは、自らの肖像や作品がファストファッションのトートバッグやTシャツに「使われ」、販売されることを喜んだかもしれない。
ユニクロはこれまでも、KAWS、キース・ヘリング、ジャン=ミシェル・バスキアといった世界的アーティストとライセンス契約を結んできた。また、ニューヨーク近代美術館(MoMA)との共同企画では、ゴッホやゴーギャン、ゾフィー・トイバー=アルプらの作品を取り入れたコレクションも展開している。
キュレーター、歴史家のイェッペ・ウーゲルヴィグはアート・イン・アメリカの記事で、近年アーティストの財団がライセンス契約を通じて作品やブランドの価値を拡張していると指摘する。その流れの中で、ウォーホル財団は2011年に作品鑑定部門を解散して以降、ライセンス事業を活動の大黒柱としているのは事実だ。(翻訳:編集部)
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