世界初「ティラノサウルスの革製」ハンドバッグが誕生! 最新バイオ技術で白亜紀の素材を再現

ポーランド発のテックウェアブランド、アンファン・ルヴェ(Enfin Levé)は、ティラノサウルス由来のコラーゲン情報をもとに開発された世界初の皮革素材「T-Rexレザー」を用いたハンドバッグを発表。4月2日からアムステルダムのアート・ズー・ミュージアムで展示されている。

アート・ズー・ミュージアムで展示される「T-Rexレザー」を用いたハンドバッグ。Photo: Instagram/artzoomuseum

ポーランド発のテックウェアブランド、アンファン・ルヴェ(Enfin Levé)は、ティラノサウルス由来のコラーゲン情報をもとに開発された世界初の皮革素材「T-Rexレザー」を用いたハンドバッグを発表したとdesignboomが伝えた。

この「T-Rexレザー」は、クリエイティブエージェンシーのVML、ゲノム工学企業The Organoid Company、Lab-Grown Leather Ltd.の協業により、2025年から研究が進められてきた。出発点となったのは、化石化したティラノサウルスの骨から得られたコラーゲン(タンパク質)の配列解析だ。長い年月の中で欠損していた情報は、計算生物学とAIモデリングによって補完され、コラーゲン設計は完全なへと再構築された。さらにこの設計にもとづき、対応する合成DNAが作製された。

この合成DNAは細胞に組み込まれ、大量培養を経て、Lab-Grown Leatherの独自技術「Advanced Tissue Engineering Platform(ATEP)」によって皮革素材へと生成された。同技術では、細胞が自ら細胞外マトリックスを形成する「スキャフォールドフリー」手法を採用しており、従来の動物由来レザーと構造的に同等の素材が生み出される。さらにこの素材は、耐久性・修復性・生分解性を備え、クロムを多用するなめし工程を必要としない点も特徴だ。

「T-Rexレザー」を用いたハンドバッグ。Photo: Instagram/enfin levé
「T-Rexレザー」を用いたハンドバッグ。Photo: Instagram/enfin levé
「T-Rexレザー」を用いたハンドバッグ拡大図。Photo: Instagram/enfin levé

こうして誕生したT-Rexレザーは、アンファン・ルヴェのデザイナー、ミハル・ハダスに託され、バッグとして具現化された。だが前例のない素材ゆえに、ハダスはまず、どの部分が負荷に耐えることができ、張りを保てるのか、そして表面が縫製や加工にどう反応するかを細かく検証することから設計を開始したという。制作について、ハダスは次のように語った。

「この素材はこれまで扱ってきたどのレザーとも異なる特性を持っていました。最終的には、素材そのものがバッグの形を決定することとなりました」

一点もののコレクターズピースとして制作されたこのバッグは、4月2日から5月11日までアムステルダムのアート・ズー・ミュージアムで展示された後、オークションに出品される。

VMLによると、T-Rexレザー自体は今後も生産が継続され、将来的にはブランドやデザイナー向けに商業展開される見込みだ。まずはラグジュアリー分野での応用が想定されており、長期的にはファッションや自動車、さらには高機能素材分野への展開も視野に入れている。

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