ブライアン・イーノやFKAツイッグスらがバチカン館に集結! 「音による祈り」をめぐるサウンドアート展

5月9日に開幕を控えた第61回ヴェネチア・ビエンナーレでバチカン館は「耳は魂の目」と題したサウンド・アート作品などの展示を行う。参加作家には、ブライアン・イーノ、FKAツイッグス、ジム・ジャームッシュ、パティ・スミスなどのアティストやミュージシャンが名を連ねている。

今年のバチカン館の会場は2カ所に設けられる。Photo: Courtesy Dicastero per la Cultura e l’Educazione

今年のヴェネチア・ビエンナーレバチカン館は、サウンド・アートを通して「聴くこと」に焦点を当てる。

同館から制作を委託されたのは、ブライアン・イーノ、FKAツイッグス、ジム・ジャームッシュ、パティ・スミス、デヴォンテ・ハインズ、ララージ、カリ・マローン、カテリーナ・バルビエリ、テリー・ライリーをはじめとする24人のアーティストやミュージシャンなどで、「音による祈り」を作品で具現化する。着想源となったのは、12世紀ドイツの女子修道院長で作曲家でもあったビンゲンの聖ヒルデガルトだ。

「耳は魂の目(L’orecchio è l’occhio dell’anima)」と題されたバチカン館の展示は、ヴェネチアのカンナレージョ地区にある跣足(せんそく)カルメル会修道院の神秘の庭園と、カステッロ地区にあるサンタ・マリア・アウジリアトリーチェの複合施設の2会場で行われる。

その共同キュレーターを務めるのは、ハンス・ウルリッヒ・オブリスト、ベン・ヴィッカーズとサウンドウォーク・コレクティヴ。プレスリリースによると、同館のコンセプトは「急逝した2026年ビエンナーレの芸術監督コヨ・クオの遺志、すなわちスローダウンして、より静かな音調に耳を傾けるというコンセプトに応える形で考案された」という。

カルメル会修道院の会場では、来場者はヘッドホンでサウンド・アートを鑑賞しながら神秘の庭園を散策することができる。作品は、「声や楽器の響き、そして時には静寂を通して、ヒルデガルトの聖歌、著作、幻視的なイメージと呼応するもの」とされる。プレスリリースではまた、今回のバチカン館における構想の一部は、ローマ教皇レオ14世の次の言葉に基づくと記されている。

「アルゴリズムでは『役に立つ』ものが繰り返される傾向がありますが、芸術は可能性を切り拓くものです。全てが即座に行われたり、予測可能であったりする必要はありません」

一方、サンタ・マリア・アウジリアトリーチェの会場では、先月94歳で亡くなったドイツの映画監督・著述家のアレクサンダー・クルーゲの遺作に加え、聖ヒルデガルトの書簡を集めたアーカイブ、イルダ・ダヴィッドのアーティストブック、そしてメキシコの建築設計事務所、タチアナ・ビルバオ・エストゥディオによる新修道院建築プロジェクトが展示される。

上述のアーティストやミュージシャン等のほか、今年のサウンド・アート展の参加者にはバヌ・カピル、カルミーニョ、ホリー・ハーンドン&マット・ドライハースト、カズ・マキノ、メレディス・モンク、ムーア・マザー、オトボン・ンカンガ、プレシャス・オコヨモン、ラウル・スリータ、スザンヌ・チアーニ、そしてアイビンゲンにあるベネディクト会聖ヒルデガルト修道院の修道女たちが含まれる。

なお、前回2024年のヴェネチア・ビエンナーレでバチカン館は、ジュデッカ島の女子刑務所を会場に利用。同刑務所の受刑者の協力の下を得て、マウリツィオ・カテランの作品を展示したパビリオンは大きな注目を浴びた。(翻訳:石井佳子)

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