英ゴールドスミス校が再編計画を発表。5年で3度目の再編に職員反発、ストも視野
イギリスを代表する美術大学の一つ、ゴールドスミス・カレッジで、約47億円規模の経費削減を柱とする2カ年計画が打ち出された。専門職スタッフの解雇や教員削減を伴うとされる内容に、職員や労働組合は強く反発し、ストライキを含む労働争議に発展する可能性が高まっている。

ゴールドスミス・カレッジの職員が、大学側の大規模な再編計画に反発し、ストライキなどの労働争議に踏み切る構えを見せている。アートニュースペーパーが報じた。
ゴールドスミス・カレッジは1891年に創立され、1904年に国立大学連合であるロンドン大学に編入された。とりわけ現代美術分野で大きな影響力を持ち、これまでにダミアン・ハーストやスティーヴ・マックイーン、サラ・ルーカスら著名なアーティストを多数輩出している。
同校の大学・カレッジ労働組合(UCU)によると、学長代行デイヴィッド・オズウェルは3月26日付のメールで、2026年から27年度末にかけてに2200万ポンド(約47億3800万円)を削減する2カ年計画「Future Goldsmiths」の実施を全職員に通知したという。
UCUは、この計画の一環として「今年度中に専門職スタッフの解雇が行われ、9月には教員にも削減が及ぶ」と懸念を示している。
同校では過去5年間にわたり大規模な再編が繰り返されてきた。今回の「Future Goldsmiths」は、2021年の「Recovery programme」、2024年の「Transformation programme」に続く3度目の再編計画となる。UCUによれば、2021年は年間760万ポンド(現在の為替で約16億3700万円)、2024年は1610万ポンド(同・約34億6800万円)の削減が行われたという。さらにUCUの情報公開請求により、同校が2019年以降、民間コンサルタントに1400万ポンド超(同・約30億1640万円)を支出していたことも明らかになった。
アートニュースペーパーによると、UCUは「Future Goldsmiths」の発表を受けて、組合員に対して労働争議の是非を問う投票を実施。投票率63パーセントのもと、81パーセントがストライキに賛成し、採点や評価のボイコットを含む「ストライキに至らない争議行為」には92パーセントが賛成した。
一方大学側は、今回の再編を将来に向けた不可欠な措置と位置づける。同校の広報担当者は、「多くの高等教育機関が不確実な状況に直面するなか、世界有数の創造系大学としての地位を守るための行動です」と説明している。