5月開催のアート・ドバイ、出展者を発表。約6割が湾岸・南西アジア拠点、地域密着型フェアを目指す

アート・ドバイは2026年の出展者と展示プログラムを発表した。規模を絞り、地域色を強める一方、販売実績に応じた出展料モデルを導入し、従来のアートフェアのビジネスモデルに再考を促す。

2025年のアート・ドバイの展示風景。Photo: Cedric Ribeiro/Getty Images for Art Dubai
2025年のアート・ドバイの展示風景。Photo: Cedric Ribeiro/Getty Images for Art Dubai

アート・ドバイは2026年の出展者リストを発表した。規模を縮小して開催される今回のフェアは、高級リゾート複合施設マディナ・ジュメイラを会場に、5月14日のVIPプレビューを経て、5月15〜17日まで一般公開される。ギャラリーや文化機関、パートナー企業を含め、75の展示が一堂に会する予定だ。

不安定な中東情勢に加え、アートフェア全体における出展コスト高騰を受けて見直された今回の開催形式は、地域に長くつながりをもっているギャラリーに焦点を当てている。実際、出展者の約60%が湾岸諸国や南西アジアに拠点を置いている。

出展者リストには、ザ・サード・ライン(The Third Line)やローリー・シャビビ(Lawrie Shabibi)、カーボン12(Carbon12)など、地元ドバイに拠点を置くギャラリーが名を連ねている。また、ペロタンやガレリア・コンティヌア(Galleria Continua)、ワディントン・カストン(Waddington Custot)など世界各地に拠点を構えるギャラリーも参加予定だ。

近年の大規模な開催とは対照的に、今回のフェアはコンパクトな構成となる。主催者は「焦点を絞ったプログラム」と位置付け、近現代アートやデジタルアートに加え、文化機関との協働やコミッションワークを展開する。

さらに、従来のブース形式よりも展示プログラムが大きな役割を担う今回は、ハリド・アル・バンナ(Khalid Al Banna)やハシェル・アル・ラムキ(Hashel Al Lamki)、スダルシャン・シェッティ(Sudarshan Shetty)といったアーティストによる大型インスタレーションや新たなコミッションワークが披露される。加えて、主要ギャラリーが集まるアルサーカル・アヴェニュー(Alserkal Avenue)やジャミール・アートセンターを運営する民間非営利団体アート・ジャミール(Art Jameel)、シャルジャ・アート財団など、アラブ首長国連邦を代表する主要機関との提携プログラムも開催される予定だ。

注目すべき変化のひとつが、ギャラリーの負担軽減策だ。2026年版では、ブース使用料を販売実績に連動させる価格モデルが導入される。アートフェアとしては異例の試みであり、従来のビジネスモデルに再考を迫る動きとも受け取れる。

その結果、今回は規模拡大を志向するグローバル市場というよりも、地域基盤を固めるプラットフォームとしての性格を強めている。これまで「東西の交差点」とされてきたフェアは、選択と集中による立て直しへと軸足を移しつつある。

こうした方針転換の背景には、出展料や輸送費の高騰、売上のばらつき、コレクターの買い控えといった状況がある。文化機関と連携し、地域密着型の小規模フェアへと舵を切った今回のアート・ドバイは、今後のアートフェアが向かうべき姿の先駆けとなるかもしれない。(翻訳:編集部)

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