M+とポンピドゥー・センターが5年提携へ──欧州とアジアを横断する共同企画と研究連携が始動

香港の現代美術館M+パリポンピドゥー・センターが、来年から5年間にわたるパートナーシップを締結する。作品貸与や共同展覧会、研究者交流などを柱に、両館のコレクションと知見を横断する長期的な協働が展開される。

M+ x Pompidou. Photo: Bob Henry/UCG/Universal Images Group via Getty Images; Luc Castel/Getty Images
香港のM+(左)とパリのポンピドゥ・センター(右)。Photo: Bob Henry/UCG/Universal Images Group via Getty Images; Luc Castel/Getty Images

香港の現代美術館M+と、パリの国立近現代美術館であるポンピドゥー・センターが、来年から始まる5年間のパートナーシップを発表した。ヘルツォーク&ド・ムーロンが設計を手がけ、香港のビクトリア・ハーバーを望むM+は、2021年に開館。一方のポンピドゥー・センターは、レンゾ・ピアノとリチャード・ロジャースによる建物の長期改修のため、昨年から休館している。

この計画は5月15日にM+で発表され、サウスチャイナ・モーニング・ポストが報じた。会見には、M+館長のスハニヤ・ラッフェル、ポンピドゥー・センター館長のローラン・ル・ボン、在香港フランス総領事のクリスティル・ドリュレらが出席した。翌日には、ル・ボンとラッフェルが同館で基調講演を行い、ポンピドゥーの歴史や改修後の計画、そして新たに発表された両館のパートナーシップがどのようなものになるかを説明した。

2016年、開館の5年前にM+館長に就任したラッフェルは、自館の設立とコレクション構築を進める中で、チームがポンピドゥーを模範として仰いできたと述べた。その上で、サウスチャイナ・モーニング・ポストの取材に対し、「『M+にとってのメンター的存在である美術館といま協働している』と言えることは、私たちにとって感慨深いことです。同時に、対等なパートナーでもありたいと願っています」と語った。

両館は今後、展覧会のための作品貸与、リサーチや新規コミッションでの協働、キュレーターや美術館専門職の交流支援などを計画している。2027年からは、両館のコレクションを横断する作品を紹介する展覧会シリーズを共同企画し、香港のM+で開催する予定だ。また、20世紀および21世紀の西洋美術とアジア美術を対象とする研究フェローのための4年間のポスドク枠も、このパートナーシップの一環として設けられる。

さらにこの協働の集大成となる大規模展を、2029年または2030年のポンピドゥー・センター再開館時に初公開するという。本展はその後、M+へ巡回する。M+の声明によれば、この展覧会は「フランスとグレーター・チャイナにおける視覚文化の多様性と豊かさ、そして急速に変化する世界の中でそれらが生み出す新たな対話」に焦点を当てるという。(翻訳:編集部)

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