ブルガリ、ヴェネチア・ビエンナーレ史上初の独占パートナーに。2030年まで続く大型提携が始動

ラグジュアリーブランドのブルガリが、ヴェネチア・ビエンナーレ史上初となる「独占パートナー」に就任した。2030年まで続く長期パートナーシップの幕開けとして、第61回ヴェネチア・ビエンナーレでは、2つの展覧会を開催している。

マルチャーナ国立図書館で展示されるララ・ファヴァレット《Momentary Monument – The Library》。 Photo: © T-SpaceLara Favaretto

第61回ヴェネチア・ビエンナーレの一般公開から数日後の5月12日、ブルガリは同芸術祭史上初となる「独占パートナー」に就任したと発表した

ブルガリはこれまでも、ローマのスペイン広場(スペイン階段)の歴史的モニュメントの修復を手がけたほか、同MAXXI(国立21世紀美術館)やニューヨークのホイットニー美術館など、現代美術機関とのパートナーシップを築くなど、継続的に文化支援を行ってきた。2024年には、そうした文化活動を担う「フォンダツィオーネ・ブルガリ」も設立している。

詳細条件は公表されていないものの、今回のパートナーシップは2030年まで続く予定で、開催中の第61回ヴェネチア・ビエンナーレでは初年度を記念する2つの展覧会を開催している。

まず、ビエンナーレ・ジャルディーニ内のブルガリ パビリオンでは、ニューヨークを拠点に活動するカナダ人アーティスト、ロータス・L・カンが新作《The Face of Desire Is Loss》を発表。カンは移行、世代の循環、消耗、修復といったテーマを軸に、自身の韓国系ルーツを手がかりとして、個人的な経験を普遍的な問いへと昇華させている

ロータス・L・カン《The Face of Desire Is Loss》
Courtesy the artist, Bvlgari, Commonwealth and Council, Franz Kaka, Kukje
Gallery and Esther Schipper Berlin/Paris/Seoul
Photo © Andrea Rossett

展示の中心となるのは、鉄骨の梁から吊り下げられた未定着の巨大な写真フィルムだ。フィルムはパビリオン内の光や湿度に反応しながら、会期中も変化を続けていく。会場にはそのほか、鋳造アルミニウム製の畳や、グラスファイバーと石膏で制作された昆布の結び目の彫刻なども設置されている。これらはいずれも韓国の生活文化に根ざしたモチーフだ。また、仏教において死者が輪廻へ向かうまでの重要な期間とされる「49日」にちなみ、49本の酒瓶も並べられている。

一方、サン・マルコ広場に面するマルチャーナ国立図書館では、2024年のMAXXI BVLGARI賞受賞者であるモニア・ベン・ハムーダと、イタリア人アーティストのララ・ファヴァレットによる展覧会が開かれている。

ベン・ハムーダ《Fragments of Fire Worship》
Photo: © T-Space

図書館の前室では、書家の父を持つベン・ハムーダが、言語を身体的ジェスチャーとして捉え、架空のアルファベットを創造してネオン彫刻へと展開した《Fragments of Fire Worship》を発表。メインホールでは、ファヴァレットの個人アーカイブから無作為に選ばれた画像を本の見返し部分に印刷した寄贈本を、空間に合わせて特注された本棚に収めたインスタレーション《Momentary Monument – The Library》が展示されている。

このパートナーシップについて、ブルガリ グループCEOのジャン-クリストフ・ババンは声明で次のように述べた。

「ブルガリにとってこのパートナーシップは、長年にわたり培ってきた芸術支援へのコミットメントを、現代表現に焦点を当てながら、自然かつ意義深い形で未来へ発展させるものです。独占パートナーとして、来場者、アーティスト、キュレーターが集い、対話を重ねながら自由に実験し、未来の文化をともに想像し形成していける、ダイナミックで刺激的な環境づくりに貢献できることを誇りに思います」

ロータス・L・カン展
会期:2026年11月22日(日)まで
会場:ブルガリ パビリオン(ジャルディーニ会場「スパツィオ・エセドラ」)

モニア・ベン・ハムーダ/ララ・ファヴァレット展
会期:2026年11月22日(日)まで
会場:マルチャーナ国立図書館(P.za San Marco, 7, 30124 ヴェネチア)

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