休館中のポンピドゥー、シャネルと5年契約を締結──公共知の保存とアクセス拡張へ

パリのポンピドゥー・センターが、ラグジュアリーブランドのシャネルと5年間のパートナーシップ協定を締結した。大規模改修中の同館は、国際連携と民間支援を軸に、次世代に向けた文化機関としての再構築を進めている。

ポンピドゥー・センター。2025年11月撮影。Photo: Getty Images

ポンピドゥー・センターは、シャネルと5年間のパートナーシップ協定を締結したと発表した。

同館は、2025年から2030年まで長期改修工事のため休館している。その間も、ソウルブラジルのフォス・ド・イグアス、ブリュッセルなどへのサテライト展開に加え、新たなコラボレーションを積極的に行っている。先週には香港のM+と、作品貸与や研究・展覧会協力を柱とする提携計画を発表したばかりだ。

ポンピドゥー・センターとシャネルの協力関係は2019年に始まった。2024年にはシャネルの支援を受け、1970年代後半から1990年代初頭生まれの中国人アーティスト15人による21作品が同館のコレクションに加わった。対象作家には、ルー・ヤン(Lu Yang)、アリス・チェン(Alice Chen)、チェン・ウェイ(Chen Wei)、ツイ・ジエ(Cui Jie)、フー・シャオユアン(Hu Xiaoyuan)らが含まれる。シャネルはまた、この収蔵と連動してポンピドゥー・センターと上海のウエスト・バンド美術館が共同企画した展覧会「目 China: A New Generation of Artists」も支援している。

今回のパートナーシップでは、シャネルによる支援がさらに拡大される。発表によれば、支援対象は「アクセシビリティ、学術研究、公共知識の保存」に及ぶという。その目的は、「将来のアーティストや学生、研究者、そして一般来館者に対し、同館のリソースを継続的に提供すること」だとしている。

シャネルのアーツ&カルチャー・ヘリテージ部門社長を務めるヤナ・ピールは、これまで両者の協力関係を主導してきた人物だ。彼女はポンピドゥー・センターについて、「フランスを代表する文化機関であり、アイデア交換のためのグローバルな舞台」だと述べ、今回のパートナーシップは「美術館の持続的な活力を支えるもの」になると語った。

一方、ポンピドゥー・センターは今回の大規模改修で、多岐にわたる計画を進めている。レンゾ・ピアノとリチャード・ロジャースが設計した、配管や構造体をあえて外部に露出させた「インサイドアウト」建築の改修に加え、彫刻家コンスタンティン・ブランクーシのアトリエを再現した「ブランクーシ・パヴィリオン」を本館中心部へ移設する予定だ。現在パヴィリオンが建つ場所には、カンディンスキー図書館と美術館のアーカイブ部門が入るという。さらに、コレクション展示の全面的な再構成も行われる。改修予算は、当初の2億8300万ドル(約450億円)から、現在では5億ドル(約795億円)を超える規模へと膨らんでいる。(翻訳:編集部)

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