ポンピドゥー・センターが2027年、ブラジル分館をオープン! 自然に溶け込む建築で南米作家に焦点
パリのポンピドゥー・センターは南米初となる分館をブラジルのパラナ州に開館すると発表した。オープンは2027年11月の予定だ。

パリのポンピドゥー・センターはブラジル・パラナ州にあるイグアスの滝近くに分館を建設する計画を発表した。
ブラジルで2番目に多くの観光客が訪れるイグアスの滝はイグアス国立公園内にあり、同公園は1984年にアルゼンチン側、86年にブラジル側が世界遺産に登録されている。そこに計画されているポンピドゥーの分館は、パラナ州当局からの資金援助により建設される。展示室と研究施設を設け、南米のアーティストにスポットを当てると同時に、約15万点におよぶポンピドゥーの常設コレクションの紹介も行う。設計はパラグアイの建築家ソラーノ・ベニテスで、ベニテスはこれまで持続可能性を重視した建築を手掛けてきた。同館によると、周囲の自然環境にシームレスに溶け込ませるような建物にするという。

パリのポンピドゥー・センターは、今年9月から5年間休館し、2億8000万ドル(約400億円)をかけた改修工事を行う。フランス文化省が一部監督する1977年の開館以来初となる大規模な工事では、老朽化した建物の改修のほか、エネルギーシステムをアップグレードする予定だ。閉館前の最後の展示は、同館の図書館を舞台にしたヴォルフガング・ティルマンスの個展となる。
近年同館は、休館中のコレクションの有効活用のために分館の設立に力を入れている。2010年にはフランスのメス、2015年にはスペイン・マラガ、2019年には上海にオープンさせ、今後は2025年に韓国ソウル・ヨイドの63ビル、2026年11月にはベルギー・ブリュッセルにも開館予定だ。さらにサウジアラビアのアルーラやアメリカ・ニュージャージー州でも計画は進んでいる。(翻訳:編集部)
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