モロークスノキ建築設計がポンピドゥー・センター大改修プロジェクトの建築家に決定! 監修はレンゾ・ピアノ
ポンピドゥー・センターが、2025年から5年にわたる大規模改修プロジェクトを担当する建築家を発表した。フランス会計検査院から資金面に深刻な問題があると指摘されている中での発表となった。
リチャード・ロジャースとレンゾ・ピアノの設計で1977年に開館したポンピドゥー・センターの大規模改修には、2億6200万ユーロ(約445億円)の予算が充てられる。5年にわたる改修期間、同センターは休館し、2030年に再開する予定。
この大プロジェクトのコンペを勝ち抜いたのは、ニコラ・モローと楠寛子が設立したフランスのモロークスノキ建築設計。また、メキシコシティを拠点とするフリーダ・エスコベド・スタジオがアソシエイトデザイナーに選ばれたことをアーキテクツ・ニュースペーパー紙が報じた。さらに、フランスのエンジニアリング会社AIAライフ・デザイナーズが協力し、コンペ審査員を務めたレンゾ・ピアノが監修する。
1970年代に建設されたポンピドゥー・センターは劣化が顕著で、これまでも維持管理のための改修が行われてきた。2025年からの大改修では、図書館や屋上などにおけるアクセシビリティ改善やアスベストの除去が行われるほか、床面積が拡大され、自然光がより多く取り入れられるようになる。
また、20世紀を代表する彫刻家コンスタンティン・ブランクーシのアトリエを再現した「アトリエ・ブランクーシ」は、これまでメインスペースと離れた場所にあったが、それを本館の中心部に移動する。それに加え、常設展のリニューアルも計画されている。
パリを代表する近現代美術館であるポンピドゥー・センターの建物は、鉄骨やガラスを用いた革新的な設計で知られる。また、通常は壁の中に収められている空調や水道設備などが外側から見えるようになっているのが特徴。
同館はスペイン・マラガや中国・上海に分館を展開しているほか、アメリカのジャージーシティ、韓国・ソウルへの進出も予定されている。(翻訳:石井佳子)
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