トランプ大統領の肖像入り250ドル紙幣が現実味? 存命人物の掲載を禁じる法律との衝突も

トランプ大統領の肖像を描いたアメリカ建国250周年記念紙幣の草案が公開された。アメリカでは存命人物を紙幣に描くことが禁じられているが、政権側は、試作品の作成を進めていた。

ホワイトハウスの記者会見で、250ドル紙幣のデザイン案が印刷された紙を掲げる財務長官のスコット・ベッセント。Photo: Tom Williams/CQ-Roll Call, Inc via Getty Images
ホワイトハウスの記者会見で、250ドル紙幣のデザイン案が印刷された紙を掲げる財務長官のスコット・ベッセント。Photo: Tom Williams/CQ-Roll Call, Inc via Getty Images

イギリス人画家のイアン・アレクサンダー(Iain Alexander)が、ドナルド・トランプ大統領の肖像を用いた250ドル紙幣の草案をデザインしたことが明らかになった。

草案の紙幣には、アメリカ国旗を思わせる赤、青、白が配され、建国250周年を記念するロゴも描かれているという。アレクサンダーはワシントン・ポスト紙に対し、トランプ大統領から「お気に入りのイギリス人アーティスト」と呼ばれていると語った。また、紙幣の裏面には、アメリカ独立戦争期に星条旗を作った人物として知られるベッツィー・ロスも描かれており、トランプ大統領はこの案を非常に気に入っていたという。

250ドル紙幣の草案。Photo: via Screenshot

しかし、アメリカでは存命中の人物を紙幣に描くことが法律で禁じられている。それでもトランプ政権は昨年から、現職大統領の肖像を用いた250ドル紙幣の実現を進めてきた。ワシントン・ポスト紙によると、財務省高官のブランドン・ビーチと上級顧問のマイク・ブラウンは、米製版印刷局に対し、アレクサンダーがデザインした250ドル紙幣の試作品を作成するよう圧力をかけたという。報道では、そのモックアップ下部にアレクサンダーの署名が入っているとも伝えられている。

トランプ政権とアレクサンダーがどのように接点を持ったのかは明らかになっていない。ただ、アレクサンダーのInstagramには、大統領と撮影した写真が複数投稿されているほか、トランプ大統領の別荘マー・ア・ラゴに近いパームビーチのアプリシエーション・ギャラリーで2025年に開かれた展覧会の告知も掲載されている。アレクサンダーは自身を「王室御用達の肖像画家」兼彫刻家と称しているが、どの王室関係者を描いたのかは明らかになっていない。

サウスカロライナ州の下院議員、ジョー・ウィルソンは昨年、財務省に対してトランプ大統領の肖像入り250ドル紙幣の印刷を義務付ける法案を提出した。この法案は12月に米下院金融サービス委員会に付託されたものの、それ以降の進展は見られていない。

財務省の広報担当者はワシントン・ポストに対し、このモックアップはウィルソンの法案成立を見据えた準備と確認作業の一環だと説明し、「建国250周年を称える記念紙幣の製造に向けて欠かせない準備だ」と語っている。

一方で、製版印刷局の当局者たちは、この250ドル紙幣の印刷に難色を示しており、少なくとも1人が突然の配置転換を命じられる事態に発展しているという。別の動きとして、同局は現在、トランプ大統領の署名が入った100ドル紙幣の印刷作業も進めている。実現すれば、現職大統領の署名が入る初の紙幣となる見込みだ。(翻訳:編集部)

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