トッテナム元オーナー所蔵、モディリアーニの「論争を呼んだ裸婦像」が競売へ──予想価格96億円超

6月24日にサザビーズ・ロンドンで開催されるオークションに、アメデオ・モディリアーニ(1884-1920)《首飾りをした裸婦(Nu assis au collier)》(1917)が出品される。オークションへの登場は約30年ぶり。

アメデオ・モディリアーニ《首飾りをした裸婦》(1917)Photo: Courtesy Sotheby's

6月24日にサザビーズ・ロンドンで開催されるオークションMasterpieces from the Lewis Collection」に、アメデオ・モディリアーニの傑作《首飾りをした裸婦(Nu assis au collier)》(1917)が出品されることが6月5日に発表された

本作は、イングランド・プレミアリーグのサッカークラブ、トッテナム・ホットスパーの元オーナーとして知られるイギリス人実業家ジョー・ルイスのコレクションで、約30年ぶりにオークション市場に登場する。

スキャンダルを起こした展覧会の出品作

目を閉じ、左手でサンゴとみられるネックレスを触る女性を描いた《首飾りをした裸婦》は、モディリアーニによる希少な全裸像のひとつだ。1917年12月に開催された彼の生涯唯一の個展に出品された7点の裸婦像のうちの1点であり、この展覧会は開幕初日の夜に警察によって「わいせつ」を理由に閉鎖されるという大きなスキャンダルを引き起こしたことで知られる。

サザビーズ・ヨーロッパ会長のオリバー・バーカーはアートネットの取材に対し、2024年にジョニー・デップ監督の映画『モディリアーニ!』が制作され、さらに今年は美術研究者マルク・レステリーニによる最新のモディリアーニ作品総目録(カタログ・レゾネ)が刊行されたことに触れ、「いまはモディリアーニへの関心がこれまでになく高まっている時期です」と語った。また、《首飾りをした裸婦》については、「私はこの絵を長年知っており、ずっと賞賛してきました。いつかこのようなオークションで扱いたいと思い続けていました」と、その魅力を強調した。

近年さらに高まる市場価値

実際、サザビーズは近年、モディリアーニ作品のオークションで好成績を収めている。2025年10月にはパリで開催されたオークションで、《エルヴィールの胸像(Elvire en buste)》(1918-19)が2700万ユーロ(現在の為替で49億9500万円、以下同)で落札され、パリにおけるモディリアーニ作品のオークション最高額を更新した。

《首飾りをした裸婦》のルイス以前の所有者は、ニューヨークの弁護士ラルフ・F・コリンと、その妻ジョージア・タルメイ・コリン。ルイスは1995年にクリスティーズで行われたオークションで同作を1240万ドル(約19億8400万円)で取得した。今回の予想落札価格は4500万ポンド(約96億3000万円)以上と見積もられている。

その他の出品作品にも注目

モディリアーニ作品のオークション最高額は、2015年にクリスティーズで落札された《横たわる裸婦(Nu couché)》(1917-18)の1億7000万ドル(約272億円)だ。今回の《首飾りをした裸婦》も、近年のモディリアーニ作品としては極めて高額な取引になると期待されている。

同作は6月24日にサザビーズ・ロンドンで開催されるイブニング・セールに出品される。セールにはこのほか、ルシアン・フロイド《ライオンのカーペットのそばで眠る女性(Sleeping by the Lion Carpet)》(予想落札価格2500万~3500万ポンド・約53億5000万円~74億9000万円)、エドガー・ドガ《14歳の小さな踊り子(Petite Danseuse de quatorze ans)》(同1800万~2500万ポンド・約38億5000万円~53億5000万円)、パブロ・ピカソ《女性の胸像(Buste de femme)》(同1200万~1800万ポンド・約25億7000万円~38億5000万円)など、ルイスが蒐集した傑作25ロットが競売にかけられる。これらの作品は6月10日から23日まで、サザビーズ・ロンドンで一般公開される。

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