草間彌生、イケムラレイコらが参加。東京・臨海部で新国際美術展「TOKYO ATLAS」が10月開催
東京・臨海部を舞台に初開催される国際美術展「TOKYO ATLAS」(10月10日〜12月20日)の概要と参加アーティストが発表された。イケムラレイコや草間彌生ら国内外の作家が、公園や地下駐車場など都市空間を会場にサイトスペシフィックな作品を展開する。

10月10日から12月20日まで東京・臨海部で開催される国際美術展「TOKYO ATLAS」の概要と参加アーティストが、7月1日の記者発表会で明らかになった。
アートで都市の「澱」を「活力」に変換
「TOKYO ATLAS」は、東京都、東京国際文化芸術祭実行委員会、公益財団法人東京都歴史文化財団が主催する国際美術展。今年初開催となる、アートや演劇、音楽、エンターテインメントなどを都内各地で横断的に展開する「ARTE TOKYO」の一環として実施され、台場・青海・天王洲の3エリアを会場に行われる。
タイトルの「ATLAS」は、世界を支える神話上の巨人アトラスに由来するとともに、「地図帳」の意味も持つ。本展の大きな特徴は、会場の多くが公園などの屋外空間であること。都市の景観に溶け込むように作品が設置される。東京国際文化芸術祭実行委員長の青柳正規は記者発表会で、「都市には固有の『澱(おり)』がある。それらをアートの力で攪拌し、活力に変えていきたい」と語った。
アーティスティック・ディレクターは、美術評論家で草間彌生美術館館長などを務める建畠晢と、パレ・ド・トーキョー(パリ)の創設メンバーで直島新美術館館長の三木あき子。2人がそれぞれ担当エリアの展示を手がける。
お台場エリアではイケムラレイコや草間彌生の作品を展開
建畠が担当する台場エリアの会場は、幕末に黒船来航へ備えて築かれながら、一発の砲弾も放つことなく開国を迎えた歴史を持つ台場公園と、それに隣接するお台場海浜公園。建畠は今回の展示について、「美術作品は通常、ホワイトキューブという非常に快適な環境で展示されています。しかし、それは同時に、現代美術というビビッドな芸術を日常から隔離してしまうことにもなります。今回は都市の何千平方メートルにも及ぶインフラの中へ現代美術を挿入する、初ともいえる試みです」と説明した。
このエリアの目玉となるのが、お台場海浜公園の砂浜に設置されるイケムラレイコの高さ約6メートルの巨大彫刻だ。イケムラは、「何度も現地に足を運び、お台場が持つ歴史的な意味や都市と自然の関係について考えました。原初的な自然が都市に潜む力と、都市が持つ可能性や夢、その全てを抱えた作品にしたいと思いました」と語った。このほか、石毛健太、水木塁、趙要(ジャオ・ヤオ)が参加する。
また、青海のテレコムセンタービルには、草間彌生の《ヤヨイちゃん》(2012/2023)と、日本初公開となる《宇宙へ行って見た愛の花束》(2021)の2点のバルーン作品を展示。天王洲のアイルしながわでは、盛圭太と笹岡由梨子の作品が公開される。
青海南ふ頭公園では「場所性」を重視
一方、三木が担当する青海南ふ頭公園は、お台場のにぎわいとは対照的に、コンテナふ頭や東京国際クルーズターミナルに隣接し、人々の労働や東京のダイナミックな海運事業を身近に感じられる場所だ。三木はここでの展示について、「場所性を重視しました。作品を通して、この場所の歴史や文脈、環境、そしてそこで働き暮らす人々に新たな光を当て、都市のインフラや開発、発展、人間の生について考える機会にしたい」と話した。
公園内では、2024年パリ五輪での展示でも話題を呼んだ、巨大なボトルの中で自ら生活するアブラハム・ポワンシュヴァルのパフォーマンス《La Bouteille》(2015-)をはじめ、竹岡雄二による地域の標識に着目したインスタレーション、東京藝術大学小沢剛研究室らによるプロジェクト《ヤギの目》(2020-)などを紹介する。《ヤギの目》では、公園内で2頭のヤギを飼育し、地域の人々と協力しながら循環型の活動を展開。「アートは人に何かを処方することができるのか」という問いを探求する。
さらに、全長197.5メートルに及ぶ地下駐車場も特別に会場として公開される。ここでは、潘逸舟、イペェ・ヌル、ケイティ・パターソン、ムハンナド・ショノ、カウィター・ワッタナチャヤンクーンが、この場所の特性を生かしたサイトスペシフィックな作品を展開する。
関連企画として、東京都が支援してきたアーティストやキュレーターを紹介する企画展「座標|Coordinates」を天王洲のWHAT MUSEUMで開催するほか、子ども向けワークショップなども実施予定。詳細は今後、公式ウェブサイトなどで順次発表される。
国際美術展 TOKYO ATLAS
会期:10月10日(土)〜12月20日(日)
場所:
[台場エリア]台場公園・お台場海浜公園
[青海エリア]テレコムセンタービル、青海南ふ頭公園、地下駐車場(青海南ふ頭公園内)
[天王洲エリア]アイルしながわ、WHAT MUSEUM
休日:月曜(10月12日、11月23日を除く)10月12日、11月24日























