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スチームサウナも完備!? 古代ローマ時代の浴場跡をフランスの戸建建築現場から発見

フランスのローヌ川沿いの村イェンヌの北東約3キロの場所で、一戸建てを建設するために考古学調査を行った結果、2世紀のローマ浴場跡が発見された。

イェンヌで発見された、浴場跡の遺跡全景。Photo: © Guillaume Martin, Inrap

フランス国立予防考古学研究所(Inrap)によると、この遺跡は当初、宗教的な建物と考えられていた。しかし、発掘の中で考古学者たちは、近くの滝から水を引く精巧な浴場システムがあることを発見した。

1800年前の浴場には、大きなプールと、庭、暖房設備のある部屋があったようだ。専門家によると、これらの部屋には現代のスチームサウナのような装置があり、それぞれ異なる温度にしていた可能性があるという。

また、コンクリート製の滑らかな床と、赤い枠で囲われた白壁、黒地に花のモチーフが描かれた壁のある建物が発見された。この部屋の用途は明らかにはなっていないが、考古学者は更衣室であったと考えている。しかし、土産物店や食料品店、図書館などであった可能性も否定できない。

Inrapは、この建物の近くには宗教施設があり、4世紀以降使用されなくなったと推測している。専門家によると、古代ローマ時代の交通システムを記録した唯一の地図である「プーティンガーの地図」に記されている、ウィーンとジュネーブをつなぐ街道の要所「エタンナ」につながっていた可能性があるという。(翻訳:編集部)

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