工場労働者デモに参加したインド人アーティスト2人が逮捕。4カ月の拘束に釈放を求める声広がる

インド・ノイダで4月、労働者による抗議活動に参加していたアーティスト2人が逮捕された。拘束は4カ月近くに及び、現地では署名活動やアーティストによる連帯表明が広がっている。

逮捕されたアーティストのひとり、アクリティ・チョードリーのイラスト。署名サイトChange.orgでは、彼女を含む逮捕者らの釈放を求めるキャンペーンが行われている。Photo: Courtesy of Change.org
逮捕されたアーティストのひとり、アクリティ・チョードリーのイラスト。署名サイトChange.orgでは、彼女を含む逮捕者らの釈放を求めるキャンペーンが行われている。Photo: Courtesy of Change.org

アート・ニュースペーパーによれば、インドのアーティスト、シュリスティ・グプタ(Srishti Gupta)とアクリティ・チョードリー(Akriti Choudhary)がニューデリー近郊の工業都市、グレーター・ノイダで工場労働者らと抗議活動を行ったとして、4月11日に逮捕された

4月、ノイダでは数千人の工場労働者が公正な賃金と労働条件の改善を求めて抗議活動を行った。デモ隊による道路封鎖などが行われ、一連の抗議をめぐって労働者や活動家ら130人以上が逮捕されている。

2人は同日夕方、ノイダのボタニカル・ガーデン駅で逮捕された。その様子は、インドの労働者の権利や労働運動を扱うヒンディー語月刊紙「Mazdoor Bigul(マズドゥール・ビグル)」のInstagramアカウントでライブ配信されていた。アート・ニュースペーパーによると、グプタの弁護士は、逮捕時に女性警官が立ち会っていなかったことから、逮捕手続きは違法だったと主張している。インドでは女性を逮捕する際、女性警官の立ち会いが法律で義務付けられているという。

署名サイト「Change.org」では、逮捕された6人の活動家らとともに、2人のアーティストの釈放を求めるキャンペーンが行われている。シャリーン・ワドワナというユーザーが7月に立ち上げたもので、これまでにおよそ2300人が賛同している。ワドワナは署名ページにこう記している。

「今年の4月、ノイダの高速道路の真ん中で労働者の集会が行われた際、グプタとチョードリーは路上に身を置いてアスファルトに絵を描いたり、歌を歌ったり、詩を朗読したりしました。彼女たちは自らの想像力と、そこに集まった労働者たちの想像力に命を吹き込んでいただけであり、それが犯罪に当たるとは知らなかったのです」

さらに、裁判官の法解釈について次のように付け加えている。

「裁判官は、アーティストは『労働者でも従業員でもない』と見なしています。そのため、ノイダやインド首都圏の各地を席巻する抗議の波の真ん中でアーティストの姿が確認された場合、かれらの存在を正当化することはできず、存在そのものが犯罪とされてしまうのです」

インドのアートシーンでは、複数のアーティストがソーシャルメディアを通じてグプタとの連帯を表明している。アーティストのシュッダブラタ・セングプタ(Shuddhabrata Sengupta)は5月22日のInstagram投稿で、グプタのような人物が拘束されるべきではなく、自由にアートを実践し、その想像力を社会に還元できるべきだと訴えた

グラフィックノベル・アーティストのパリスミタ・シン(Parismita Singh)もセングプタの投稿に反応し、今回の逮捕によって、抗議や連帯、絵やポスター、壁画を通じて意思を表現する権利の脆さが浮き彫りになったと指摘した。そのうえで、裁判所による適切な判断と、グプタらの早期釈放を願うと記している。

アーティストのマクスード・アリ・モンダル(Maksud Ali Mondal)もグプタへの連帯を表明し、「もし私たちが今日、彼女のようなアーティストのために声を上げなければ、コミュニティや抵抗活動と共にある声や実践は、本来受けるべき連帯や支持を徐々に失っていくかもしれません」と投稿した

6月12日、セングプタはインドのニュースサイトThe Wireにオピニオン記事を寄稿し、収監中のグプタとの15分間の面会を振り返った。セングプタがスケッチブックや色鉛筆、ノートを差し入れると、グプタは刑務所内でも絵を描いていることを明かした。ほかの受刑者の肖像画を描くほか、女性たちやその子どもたちを対象にアートのワークショップも開いているという。

グプタがチョードリーらとともに逮捕されてから、本稿執筆時点で118日が経過している。(翻訳:編集部)

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