プッシー・ライオット、政治犯アーティストのグループ展を開催。「ロシアの再グラーグ化を可視化」

プッシー・ライオットの共同創設者ナジェージダ・トロコンニコワが、ロシアに政治犯として拘束されたアーティストによるグループ展をフランスで開催している。「グラーグ化しているロシア」を可視化する本展は、5月31日まで行われる。

「Resistance Imprisoned」のオープニング・イベントに登場したトロコンニコワ。Photo: Courtesy of Ritsch-Fisch Galerie
「Resistance Imprisoned」のオープニング・イベントに登場したトロコンニコワ。Photo: Courtesy of Ritsch-Fisch Galerie

5月9日に開幕する第61回ヴェネチア・ビエンナーレへのロシアの4年ぶりの復帰(編注:4月30日に報じた通り、ロシア館はプレビュー期間中のみ公開され、一般公開は見送りとなった)に対し、ロシアのフェミニスト・パンクロック・アート集団プッシー・ライオットは、異議を示す展示「Resistance imprisoned(抵抗、投獄されて)」を4月19日から開始している。

共同設立者のナジェージダ・トロコンニコワは、ロシア館の開催の代わりに、同国が「再びグラーグ(強制収容所)と化しつつある」現実を可視化する展示を行うべきだと訴えている。彼女の主張を具体化するかたちで企画されたのが今回の展示だ。会場は、フランス・ストラスブールのリッチュ=フィッシュ・ギャラリーで、ビエンナーレの会期に合わせて5月31日まで開催される。

出展する30人のアーティストは、プーチン批判のハガキを配布したことや、反戦グラフィティの制作などを理由に服役中、あるいは服役経験をもつ人々だ。展示されている作品群は、トロコンニコワと夫のジョン・コールドウェルが設立したアーティスト支援団体「Art Action」によって収集されたもので、その多くが強制労働の合間の限られた時間に制作されている。画材も乏しく、封筒に描かれたものや、寝具に歯磨き粉を塗って下地とした作品、さらには自らの血を用いたものまで含まれている。

アナスタシヤ・ドゥディャエワによる作品。「プーチン大統領の殺害を呼びかけた」ハガキを配布したとして、2024年7月から服役している。Photo: Courtesy of Ritsch-Fisch Gallery
アナスタシヤ・ドゥディャエワが獄中で制作した作品。 Photo: Courtesy of Ritsch-Fisch Gallery
ロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイの兄、オレグ・ナワリヌイが描いた獄中スケッチ。弟への圧力の一環として当局に逮捕されたとされる人物。Photo: Courtesy of Ritsch-Fisch Gallery
囚人が制作した「ファンタスティック・ジャーニー」シリーズ 。Photo: Courtesy of Ritsch-Fisch Gallery
同じく「ファンタスティック・ジャーニー」シリーズより。Photo: Courtesy of Ritsch-Fisch Gallery
同じく「ファンタスティック・ジャーニー」シリーズより。Photo: Courtesy of Ritsch-Fisch Gallery

トロコンニコワがこの構想を立ち上げた背景には、彼女自身の獄中経験がある。2012年から2013年にかけての約2年間、彼女はプーチンに抗議する「パンク・プレイヤー」のパフォーマンスをモスクワの救世主ハリストス大聖堂前で行ったとして、「フーリガン(乱暴)行為」の罪で刑事施設に収監された。「収監されているあいだ、私は自分の声が封じられないことを夢見ていた」と彼女は語る。

「ここにいるすべての受刑者に目を向け、彼らを忘れない。それは神聖な義務だ」

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