アルヴァ・アアルト建築群が世界遺産入り! 人と自然に寄り添う13の名建築

フィンランドを代表する建築家アルヴァ・アアルトと、妻であり協働者でもあったアイノ、エリッサ。3人が手がけた「アアルト建築群」が、ユネスコ世界遺産に登録された。人と自然に寄り添う建築の魅力を、全13件の構成資産とともに紹介する。

アアルト自邸。Photo: Juho Kuva

フィンランド政府観光局は8月7日、フィンランドを代表する建築家・デザイナー、アルヴァ・アアルト(1898-1976)と、建築家として彼と協働したアイノ・アアルト(1894-1949)、エリッサ・アアルト(1922-1994)が手がけた13件の建築作品で構成される「アアルト建築群」が、ユネスコ世界遺産リストに登録されたと発表した。登録は7月26日に韓国・釜山で開かれた世界遺産委員会で決定され、フィンランドの世界遺産はこれで8件となった。

アルヴァ・アアルトは1898年、当時のフィンランド大公国クオルタネに生まれた。1916年にヘルシンキ工科大学へ入学し、ウスコ・ニュストロムやアルマス・リンドグレン、カロルス・リンドベリらのもとで建築を学び、1921年に卒業。1923年にはユヴァスキュラに自身の設計事務所を開いた。初期には北欧古典主義の影響を受け、その後モダニズムへと移行。パイミオのサナトリウムやヴィープリの図書館などによって国際的な評価を確立し、木材や曲線、自然光を生かした、温かみのある独自の建築を発展させた。

最初の妻アイノ・アアルトは建築家・デザイナーであり、アルヴァの重要な創作上のパートナーでもあった。1935年、夫妻は美術収集家のマイレ・グリクセン、実業家で美術史家のニルス=グスタフ・ハールとともに家具会社アルテックを設立。建築にとどまらず、家具やガラス製品、インテリアなどを総合的に手がけた。

アイノの死後、アルヴァは建築家エリッサ・アアルトと再婚した。エリッサも設計活動に加わり、アルヴァの死後は未完成だったプロジェクトの完成や作品資料の整理・保存に尽力した。アルヴァの歩みとその建築を理解するうえで、アイノとエリッサという2人の建築家の存在は欠かすことができない。

フィンランド各地に点在するアアルト建築群は、光や自然、日常生活との調和を重視した、独自の人間中心的なモダニズムを体現している。人々の暮らしやウェルビーイング、環境をデザインの中心に据える姿勢は、コンサートホールや公共施設から、実験的な住宅、産業コミュニティーに至るまで、用途の異なる建築に一貫して表れている。

1928年から1988年にかけて完成したこれらの建築は、約1世紀を経た現在も多くが本来の用途で使われ続けている。その姿は、アアルト夫妻と設計事務所の協働者たちが近代建築のあり方をいかに人間的なものへと発展させたかを物語っている。以下、世界遺産「アアルト建築群」を構成する13件の資産を紹介する。

1. フィンランディア・ホール(ヘルシンキ) 
Photo: Pete Laakso
2. アアルト自邸(ヘルシンキ)
Photo: Juho Kuva
3. アアルト・スタジオ(ヘルシンキ)
Photo: Brahmma Wijaya/Helsinki Partners
4. 国民年金協会本部(KELA、ヘルシンキ)
Photo: Brahmma Wijaya/Helsinki Partners
5.文化の家(ヘルシンキ)
Photo: Maija Holma © Alvar Aalto Foundation
6. パイミオのサナトリウム(パイミオ)
Photo: Visit Finland
7. マイレア邸(ポリ)
Photo: Maija Holma © Alvar Aalto Foundation
8. スニラ・パルプ工場住宅地区(コトカ)
Photo: Maija Holma © Alvar Aalto Foundation
9. スリークロス教会(三つの十字架の教会、イマトラ)
Photo: Maija Holma © Alvar Aalto Foundation
10. セイナッツァロ村役場(ユヴァスキュラ)
Photo: Tero Takalo-Eskola/Visit Jyväskylä
11. ユヴァスキュラ大学アアルト・キャンパス(ユヴァスキュラ)
Photo: Julia Kivelä
12. ムーラッツァロ実験住宅(ユヴァスキュラ)
Photo: Maija Holma © Alvar Aalto Foundation
13. セイナヨキ行政・文化センター(セイナヨキ)
Photo: Wiikimedia commons

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