保存状態は「完璧」──鑑定会社から盗まれたピカソ銅版画、8年ぶりに帰還

2018年に米ウィスコンシン州ミルウォーキーの美術鑑定会社から盗まれたパブロ・ピカソの版画が、8年ぶりに見つかった。作品は額装されたままで、保護ガラスも盗難当時の状態を保っていたという。

返還されたピカソの銅版画。Photo: Courtesy of Milwaukee Police
返還されたピカソの銅版画。Photo: Courtesy of Milwaukee Police

ウィスコンシン州ミルウォーキーの美術鑑定会社デリンド・ファイン・アート・アプレイザルスから2018年に盗まれたパブロ・ピカソの銅版画が、8月6日、ミルウォーキー警察に持ち込まれた

《Torero》と題された本作は、エッチングとアクアチントの技法を用いられた版画で、30部限定で刷られた。盗難当時、デリンド・ファイン・アート・アプレイザルスのオーナーを務めるビル・デリンドは報道機関に対し、作品の価値は3万5000〜5万ドル(現在の為替レートで約553万〜791万円)に上ると語っていた。8月6日、地元テレビ局のインタビューに応じたデリンドは、作品が戻ってきた驚きをこう語っている

「もう二度とこの作品を見ることはないと思っていたので、本当に驚きました。まさか戻ってくるとは考えてもいませんでした」

盗難当時、デリンドは地元紙ミルウォーキー・ジャーナル・センチネルに、作品が「忽然と姿を消してしまった」と語っていた。事件当日に不審な人物は見かけておらず、オフィスには防犯カメラも設置されていなかったという。警察はその後、作品の行方につながる情報に1万ドル(現在の為替レートで約158万円)の懸賞金を設定したものの、期限は2019年に終了した。

警察は作品を確認してもらうため、デリンドを署に呼んだ。持ち込まれた版画には、デリンド・ファイン・アート・アプレイザルスのステッカーが当時のまま残っていた。デリンドは地元テレビ局にこう語っている。

「作品は額装されたままで、保護ガラスも当時のままでした。保存状態は完璧で、額もきれいでした。おそらく盗んだ人物は、そのまま壁に掛けていたのでしょう」

ミルウォーキー警察は、作品を持ち込んだ人物の身元を公表していない。現在、正当な所有者への返還手続きを進めている。(翻訳:編集部)

from ARTnews

あわせて読みたい