草間彌生「最後の10年間」に焦点──NYで2027年春に追悼展
8月14日に97歳で死去した草間彌生が晩年の10年間に制作した作品を紹介する展覧会が、2027年4月からニューヨークのデイヴィッド・ツヴィルナーで開催される。

デイヴィッド・ツヴィルナーは9月2日、8月14日に97歳で死去した草間彌生が晩年の10年間に制作した作品を紹介する展覧会を、2027年4月からニューヨーク・チェルシー地区にある同ギャラリーで開催すると発表した。
草間は2013年から同ギャラリーに所属していた。代表のデイヴィッド・ツヴィルナーはニューヨーク・タイムズ紙に、晩年の10年間に焦点を当てる理由について「彼女のキャリアにおいて、おそらく最も目覚ましく、最も成功した10年間だった」と説明している。
この時期、草間は数多くの絵画や彫刻を精力的に制作した。同時に、その名前は世界的なブランドへと成長し、アート界にも大きな変化をもたらした。
草間作品のオークション最高額は、2022年に《Untitled (Nets)》(1959)が記録した1050万ドル(現在の為替レートで約16億7000万円・以下同)。また、2000年以降に制作された作品を対象とする市場調査では、2023年にオークションで落札された草間作品の総額が8090万ドル(約128億6000万円)に達し、男女を含む全ての現代アーティストのなかで首位となった。
同じ2023年には、ルイ・ヴィトンとのコラボレーションを実施。草間のモチーフを取り入れた15万ドル(約2390万円)のバッグや、5万ドル(約800万円)のサーフボードなどが販売された。これを記念し、同ブランドはニューヨークの店舗に草間を模したアニマトロニクスを設置し、パリの旗艦店には巨大な草間像を登場させた。車椅子に乗り、トレードマークである鮮やかな赤いウィッグを着けた草間本人も、2023年のプロモーション写真でこの巨大像と並んでいる。
私生活をほとんど公にしなかった草間が、最後期に公の場へ姿を見せた機会のひとつが、東京に草間彌生美術館が開館した2017年だった。ニューヨーク・タイムズ紙によると、約40年間暮らしていた精神科病院でも、2019年までにほとんどの訪問客との面会をやめたという。
その間も、少人数のアシスタントからなるスタジオでは、絵画や彫刻の制作が続けられた。そのひとつである大型のカボチャ彫刻は、2024年に東京の草間彌生美術館の屋上に登場している。草間の死去に際し、草間彌生美術館と草間彌生記念芸術財団は、草間が「亡くなる直前まで絵筆を手放すことなく」、愛による世界の救済という信念を貫いたとの声明を発表した。
草間の死去を受け、ツヴィルナーは声明で次のように振り返った。
「長年暮らしたニューヨークを草間が最後に訪れたのは2013年でした。その際、彼女は当ギャラリーで数多く開催されることになる個展の第1弾を開き、作品を体験しようとする人々によって、会場には1時間待ちの列ができました。愛と平和という彼女の揺るぎないメッセージは、いまや世界中の何百万人もの人々に届いています。亡くなった時点で、草間は間違いなく世界で最も有名な存命アーティストでした」
(翻訳:編集部)
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