フランスの古代ローマ遺跡で多量の彫刻片を発見。儀式用と見られる水盤や水管理設備も
フランス・シャルトルの大規模な宗教施設遺跡で、古代ローマの石像やレリーフのかけらが多数出土した。ローマ時代の重要な遺構の1つであるこの場所では、宗教的儀式に使われたと見られる水盤や水を管理する設備も見つかっている。

世界遺産の大聖堂で知られるシャルトルには、サン=マルタン=オー=ヴァルの聖域と呼ばれる古代ローマの宗教施設遺跡がある。ヘリテージ・デイリーの報道によると、そこで今年再開された発掘調査中に、ローマ時代の彫像やレリーフの断片が多数見つかった。また、古代の宗教的儀式に関係すると思われる水管理設備の痕跡も確認されている。
この聖域は、ガリア地域が古代ローマの支配下にあった時代にさかのぼるもので、10ヘクタールを超える敷地に柱廊を備えた巨大な神殿など複数の建造物が存在していた。特に有名なのは、2017年に天井の木製部材の破片が良好な状態で多数見つかったことで、フランスに現存する最も重要なローマ時代の宗教遺構の1つとされている。建設が開始されたのは西暦70年から80年頃だが、西暦130年頃には放棄され、おそらく完成に至ることはなかったと見られる。
同地での発掘調査は4年間の休止を経て今年再開された。発掘中に見つかった中で重要視されているのは、大きな水盤の中やその周辺に散らばっていた彫刻のかけらだ。その一部は神話の場面を描いたもので、水盤を見下ろす神殿の正面に飾られていた可能性があると考古学研究者たちは考えている。シャルトルでローマ時代の彫像が出土するのは稀であるため、これほど多数の断片の発見は注目に値する。
深さが2メートル近くあり、白い大理石が敷き詰められた水盤は、2022年に他の2つの水盤とともに発見された。今回の調査では、階段で登ることができ、手すりで水面と仕切られた基壇が水盤の東側から見つかっている。また、基壇にパイプでつながる排水口も確認され、水量などを制御する仕組みの存在を示唆するものと考えられている。
一方、水盤の西側には開口部があり、参拝者が聖域の奥へ進む前に水で清めの儀式を行えるようにしたものと推測される。ただ、水盤や基壇と周囲の建造物との関係の解明には、さらなる調査が必要となる。
なお、シャルトル市とその考古学調査部門(C’Chartres Archéologie)は、9月19日・20日に開催された「ヨーロッパ文化遺産の日」の一環として発掘現場の特別公開を行い、貴重な見学機会を市民に提供した。(翻訳:石井佳子)
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